幼児教育を語るひろば

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発達には順序がある

いよいよ、新年度が始まりました。わが子が通園・通学し始めると、園や学校生活
に付いて行けるかどうか? と心配になります。「失敗した」・「出来なかった」等の
報告を聞けば、ついイライラしたり焦ったりします。

伝教大師最澄は、「不打童子」という言葉を残しています。
「分からないからと言って、子どもを叩いてはいけません。だんだんと、分かるよう
になるのだから。」と、私たちを諭されている言葉です。

スイスの心理学者ピアジェは、科学的にこのことを証明しました。しかも発達には
個人差があることも、実験的臨床研究によって明らかにしたのです。

「風はなぜ吹くのか?」・「雲や天体はなぜ動くのか?」・「船はなぜ浮くのか?」・・・ 
等々、様々な物理現象の因果関係を、子どもたちが年齢を経るに従って、どのよう
に説明できるかを調べたものです。

その結果から、例えば幼い子どもに「太陽が動くのではなく、地球が自転している
からだ。」 などと話しても、子どもたちには分からないとピアジェは言っています。

そこできょうは 彼の研究のごく一部を紹介して、「不打童子」の教えを もう一度
噛み締めて欲しいと思いました。

ピアジェは 「雲が動くわけ」について、子どもがどう考えるかを調べました。
その結果 子どもの考え方を、次の5段階に分類しています。

第1段階は、魔術的段階です。
子どもは、「自分が歩くから雲も付いてくる」 と言います。この年齢の子は、雲は
煙突から出る煙だと思っています。雲を動かすのは、神様だと言う子も多くいます。
この段階の平均年齢は、5歳です。

第2段階は、人工論的であると同時にアニミズム的です。
雲が動くのは、人間あるいは神様が押すからだと考えています。雲には生命が
あり、意識を持っていると思っています。
この段階の平均年齢は、6歳です。

第3段階では雲はひとりでに動くと言いますが、その理由については答えません。
精神的な説明はまだ残っていますが、神も人間も関係しないと考えるようになりま
す。気象現象が、雲を動かしているのではないかと考え始めます。
この段階の平均年齢は、7歳です。

第4段階では、雲を動かすのは風の力だと思うようになります。
ただこの風は、雲そのものから発生すると考えます。
この段階の平均年齢は、8歳です。

第5段階では風が決定的な役割りを担っていることに気づいて、正しく説明できる
ようになります。
この段階の平均年齢は、9歳です。

「雲はどうして動くのか?」という質問に対して、このように「風の力で動く」と説明
できるようになるまでには、発達段階があると言うことです。
平均年齢云々と言っているのは、そのことを表しているのです。

平均年齢何歳・何歳と書くと 発達段階が階段のようですが、むしろスロープ状だ
と考えましょう。

ピアジェは 第1段階の子どもの考え方は、第2~第4と繰り返して出てくると言い
ます。つまり個人差がある、ということです。
第5段階に到るのは、正確には9歳半以降と言っています。

少し長くなりましたが、要は子どもの知的成長には順序がある、発達段階がある
と言うことです。
あせらずに、わが子の成長を見守ってあげましょう!

 *参考文献
  「子どもの因果関係の認識」 岸田 秀 訳 ・ 明治図書発行
  (ピアジェが1927年に発表したもの)


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