幼児教育を語るひろば

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代理ミュンヒハウゼン症候群

京都大学病院で、入院中の娘の点滴に古くなったスポーツドリンクを注入したという
ことで、35歳の母親が逮捕されました。

病院の説明では、この母親は4回にわたって点滴に異物を投入していたようです。
(本人は5回と供述)

警察の調べによると、「子どもの病状が悪くなれば、傍に付き添って看病してあげら
れる・・・」と話しているようです。 そこで 「代理ミュンヒハウゼン症候群」の疑いも
ある」と、言っています。

耳慣れない病名ですが、1951年にイギリスの医師リチャード・アッシャーによって
発見され命名されました。


私がこの病気を知ったのも、10年ほど前です。 園児の定期健康診断に見えた、
園医さんとの雑談からでした。

私が、「最近の母親は病気に対して神経質で、何となく元気が無くても・少し熱が
あっても、すぐに大騒ぎをする。」と言うと、園医さんが、「いま学会で代理ミュンヒ
ハウゼン症候群という病気が、話題になっています。 親が自分に関心を持って
もらうために、子どもの病気や看病ぶりをオーバーに吹聴して廻ります。 時には
子どもに、障害を与えることもあります。」 と言われたのです。

その時は何となく聞いていましたが、最近になってこの病名を聞く機会が何回か
ありました。

そもそも ミュンヒハウゼンとは、「ほら吹き男爵(ピュルガー作)」の異名を持った 
ドイツの貴族ミュンヒハウゼン男爵に由来します。

この病気に罹っている人たちは、無理に病気をつくり出すか、すでに罹っていても 
殊更に重傷(病)であるかのように言いふらします。

通院・入院も、繰り返します。重病と見せるための、自傷行為もあります。怪我や
病気を口実に、周囲の人の同情を誘うのです。

ただの「ミュンヒハウゼン症候群」は、障害や病気の対象が自分自身です。「代理
ミュンヒハウゼン症候群」の方は、自分ではなくて代理の者が対象になります。
(母親の子どもに対するケースが多い)

対象がわが子に向けられるので、虐待と混同されます。 虐待との大きな違いは 
「代理ミュンヒハウゼン症候群」は、行為が目的ではなく手段であって、他者から
同情や関心を得ようとするのが目的です。

欧米では1980年代から、社会問題となっていました。日本では1990年代も後半
になってから、ようやく取り上げられるようになったのです。

現代社会は生活環境が機械化・合理化され、人間関係が希薄になって、多くの人が
孤独感を抱くようになってきました。

周りの人に気づいてもらいたい・認めてもらいたい、そんな気持ちがこの病気の根底
にあるようです。ですから単に精神的疾患と片づけるよりは、「現代病」として対策を
講じる必要があると思います。

今回の京大病院の事件も、もし「代理ミュンヒハウゼン症候群」患者ならば、わが子
を傷つけても殺害が目的ではありません。

しつけを口実に幼児を虐待する事件でも、同情を集めるために傷害行為に及ぶ場合
があると聞きます。加害者当人も、それが親心と錯覚しているのです。

暖かな人間関係の中で患者を支えてあげるのが、「ミュンヒハウゼン症候群」・「代理
ミュンヒハウゼン症候群」の特効薬です。


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