幼児教育を語るひろば

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秋を感じる

昨夜は「中秋の名月」、東京では雲に邪魔されながら、時々顔を見せてくれました。「月々に月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月」 とか・・・・

少し薄い赤褐色のベールを被ったお月様でしたが、本物が見られたのですから我慢することにします。この頃の東京では、秋を感じるとなると、人為的なものに頼ることが多くなっていますから・・・・

近所のスーパーで、「秋の七草」と銘打った花束が並んでいました。「1束800円」と、朱書してあります。(近くの花屋さんが数年前に店じまいしたので、花はスーパーで
扱っているのです。)

買おうかな?・・・ と迷いましたが、ススキ・キキョウ・ナデシコ・オミナエシの4種に、植物名不明の葉物が添えられているだけでした。

それにキキョウも、トルコキキョウのようでブルーに白い筋が入っています。ナデシコもばかに丈があって、スプレー菊のような感じがします。東京にもう秋の七草が自生していないのは分かりますが、あまりにも自然が感じられません。

「萩の花 尾花(ススキ) くず花 なでしこの花 おみなえし また ふじばかま あさがおの花(キキョウ・一説ではムクゲあるいはヒルガオ)」 このように「秋の七草」は
万葉集にも詠われて、日本の秋を代表する役目を担っています。


ちょっと脱線しますが、萩は万葉集で一番多く詠われている花です。今はサクラや
バラがもてはやされますが、昔の日本を代表する花は萩だったのです。

ススキを尾花というのは、小さな穂の下に絹糸のような白毛が、尾のように付いて
いるからそう言われます。 「幽霊の正体見たり枯れ尾花」、と言います。 お化け
屋敷には、無くてはならない小道具です。

葛(くず)は根が大きく、昔から生薬の葛根(かっこん)として解熱剤に用いられてい
ました。行李(ごうり・物いれ)などは、葛の蔓の繊維で作られたそうです。

女郎花(おみなえし)月は、陰暦7月の別名にもなっていますから、 昔はその頃に
なると野山を黄色く彩ったのだと思います。いずれにしても 「秋の七草」は、それ
ぞれ可憐な小さな花を咲かせて、秋の情趣を私たちに届けてくれました。


もうずいぶん昔になりますが、 私が勤めていた小学校では9月になると6年生の
修学旅行がありました。目的地は日光で、奥日光の湯元温泉に宿泊しました。

目の前が湯の湖で子どもたちは起床すると、そこで朝会やラジオ体操をしました。
湖を渡って吹いて来る風はヒンヤリとして心地よく、東京ではとても味わうことの
出来ない爽やかな感触でした。

誰言うともなく、「この空気を、東京へ持って帰りたい!」 ということになりました。
早速ビニル袋を持ち出して、湖畔の風をいっぱい受けて袋を膨らませ、ゴム輪で
口をしっかり縛りました。中には宿の人から空き瓶や空き缶を貰ってきて、それに
空気を詰める者もいました。

子どもたちは 「おみやげ・奥日光の空気」とか「日光の秋の風」とか、サインペン
でビニル袋や空き瓶に書きました。そして大事そうに、それぞれのリュックザック
にしまいました。

後日談ですが、子どもたちから次のような報告がありました。

 お父さんが、「素敵なお土産だね。」と喜んでくれた。

 お母さんが、「奥日光は、よいところのようね。今度家族で行きましょう。」と言った。

 弟がビニル袋の匂いをかいで、「早く6年生になりたい!」と言った。
 ・・・・ 等々。

もう30年前の話ですが、本当の秋を見つけて東京まで持ち帰った子供たちのことを
懐かしく思い出しました。


東京では秋が感じにくいような雰囲気になりましたが、 それでもまだ秋を感じるもの
がいくつかあります。

空には、秋のすじ雲が見られるようになりました。公園で「ツクツクボウシ」が鳴いて
います。「ヒグラシ」も、そろそろ鳴き始めるのではないでしょうか?

庭の菊のつぼみが、膨らんできました。アサガオの蔓が茶色くなって、種の入った
袋がいっぱい着いています。もう植物たちは、冬の準備をしているようです。

天気予報でも、「東京の最低気温は20~23度」と言うようになりました。冷房を入
れる回数も少なくなり、そうめんもそろそろご用済みのような気がします。 入浴も
シャワーだけで済ませるには、少し涼しいように感じます。

 秋来ぬと 目にはさやかに見えねども
 風の音にぞ おどろかれぬる



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