幼児教育を語るひろば

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叫びの丘

新聞の国際欄を見ていたら、「家族隔てる地雷原 今も」という見出しが目に入りま
した。 ふだんはサッと目をやる程度の国際欄ですが、気になったので読み通して
みました。

67年の第3次中東戦争でイスラエルが占領し、シリアと係争中のゴラン高原のこと
です。イスラエルの占領後併合された村は鉄条網で囲まれ、村の境界線には地雷
が埋められました。そして多くの家族が、停戦ラインで隔てられてしまったのです。

シリアの首都ダマスカスから車で1時間、停戦ライン沿いに「叫びの丘」があります。
イスラエルに占領された土地に残る同胞の 無事を確かめるために、シリア側の
住民がこの丘に集まります。彼らは大声であるいは携帯用の拡声器で、ここから
親族の名を叫ぶので 「叫びの丘」と言われるようになりました。

不思議なのはイスラエルが占領したゴラン高原の返還について、7割の住民は反対
しているそうです。併合を拒否しているイスラム教ドルーズ派(占領地域に約2万人 
シリア側に約50万人居住)のブカタ村の指導者は、「占領はいやだが生活のことを
考えれば、イスラエルがいなくなると働き口がどうなるか不安だ。それに、シリアの
独裁政権下で生きるのもいやだ。」
と話しているとのことです。

この付近はイスラエルの水がめと言われるガリラヤ湖が麓にあり、農業が盛んな土地
です。そんな土地から離れたくない気持ちもよく分かりますし、 残った人々の生きる
ための本音だと思います。

それでもゴラン高原は、 シリア南部からイスラエル北部に広がる戦略の要衝地で、
現在も地雷が埋め尽くされています。地雷に隔てられた家族は、今日も 「叫びの
丘」で声を張り上げているに違いありません。


12年ほど前に、~サニーのおねがい~ 「地雷ではなく花をください」という絵本が
出版されました。葉 祥明(よう しょうめい)の絵、柳瀬房子(やなせふさこ)の文
よるものです。自由国民社から発行され、1500円でした。

「この本はすべてボランティアによって刊行され、その収益はすべて施設された対人
地雷の除去のために活用されます。」と、巻末に記されていました。私もこのボラン
ティア活動に参加している人から、直接買い求めました。

「この本1冊で、カンボジアなら10平方メートルの土地がきれいな土地に生まれ変わ
れます。」とも、書かれていました。

葉 祥明 は、まえがきにこんな言葉を載せています。

  指先をちょっと切ったり、小さなトゲがささっただけでも、
  私たちは苦痛を感じます。だのに地雷で手足を失くした子どもたちには、
  この先とても不自由で長い人生が待っています。
  一生、杖や車椅子や義手や義足が必要だし、
  心の傷はいつまでも消えないでしょう。
  それに、野原で地雷によって傷ついた罪もない動物たちは、
  人知れず苦しみながら死んでいくのです。
  この絵本は、戦争をしている大人たちへの、
  サニーと子どもたちからのお願いです。


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