幼児教育を語るひろば

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競争社会の1年生

先週我が家の近くにあるS大学付属小学校の、入学式がありました。真新しい制服に身を包んだピカピカの1年生は、いつ見ても微笑ましく可愛いものです。

付き添う両親も、新調の? 衣装で身辺を飾っていました。子どもたちより嬉しそうに、ウキウキしている様子です。S大学の付属小学校は、都内でもエリート校です。難関を突破して合格した息子や娘たちですから、親も大満足のようです。

この様子を見て、ふと感じたことがあります。親子共々喜ぶ気持ちは分かりますが、
これから大学を卒業するまでの16年間は大変です。いや16年間では、済まないと
思います。大学を出て就職 そして結婚、親の苦労はずっと続きます。

「せっかくエリート校へ入学したのにケチをつけるな!」 と叱られそうですが、なるべ
く早くエリート競争から抜け出して欲しいという思いがあるからです。

確かに今の世の中、競争社会です。 競争に勝たねばダメという気持ちは、誰もが
持っています。競争に勝つには、普通の生活ではダメというのも常識? です。

エリート校に入学するためには、「楽しく学ぶ」などと言うのはナンセンスです。幼児
期からあの小さな頭の中へ、無理やりにでも色々な知識を詰め込まなければなりま
せん。親もそれを望んで「ガンバレ!」 「マケルナ!」と、叱咤激励します。

子どもは幼稚園時代から塾に通い、勉強!勉強!と 競争を強いられます。子ども
たちはさぞかし息苦しく辛い思いで、毎日を過ごしているのではないでしょうか?

でも幼児期は、比較的親の言うことを聞きます。 だが親は、あまり気づきません。
反対に「よく頑張るよい子」と、思っています。本当は好奇心が旺盛で一番遊びたい
時期なのに、我慢して勉強する子どもたち、どこか不自然な気がします。

私の家から車で10分ほどの所に、有名なスポーツ・クラブがあります。そこで人気が
あるのは、プロの卵を養成するコースです。水泳・体操・卓球・バスケット・サッカー等、
それに最近人気のゴルフのコースまであります。

これらのコースへ入会するには、試験があります。運動を楽しむとか 遊ぶとかいうの
は別の一般コースです。 一般コースは、 親からの人気が特に低いようです。いまや
スポーツ・クラブは、プロ選手並のメニューで特訓しています。 スポーツ界も、すでに
競争社会です。

競争社会で勝つために親は全てを犠牲にして、子どものために尽くします。 子どもは
やがて、大学を卒業して就職し結婚します。 その時一生懸命尽くした親たちは、どう
なるのでしょうか? それが、問題なのです。

一流会社に就職し やがて理想の相手と結婚した息子や娘は、仕事や家庭のことで
精一杯です。親の方へは、目も気持ちも向く余裕がありません。特にエリートコースを
歩んできた子どもたちには、その傾向が強いのです。

競争社会でエリートを育てた親たちは、その時初めて自分が無用の存在になったこと
に気づきます。 「今まで子どものために一生懸命尽くしてきたのは、何のためだった
のか?」と、自問自答するようになります。

多くの親たちがこんな寂しい思いで終わって欲しくないという気持ちから、おめでたい
入学式の風景から連想した余計なお節介でした。 でも私は仕事柄エリート競争に
巻き込んだことを悔いる親の姿を、今までに沢山見てきたものですから・・・・

最後にもうひと言、
子どもはエリート競争に勝つ度に 人を思いやる情が薄れて行きます。

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