幼児教育を語るひろば

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本当の学力

一昔前までは100点を取る子が出来る子、0点を取る子が出来ない子でした。

私も覚えがあるのですが試験前に徹夜して暗記して行くと、100点を取ることが
ありました。でも試験が終われば、覚えていたことをきれいさっぱりと忘れてしま
いました。

然し入学試験でも学校の定期試験でも、合格点を取らなければ不合格となって
しまいます。それが従来の、学力だからです。

従来の学力は、暗記した知識の量で測定されるのが当たり前でした。最近その
学力が、問題になってきています。

せっかく大学に入学しても、漢字が読めない・分数の計算が出来ないと呆れら
れているのがそうです。

やっと有名会社へ就職した新入社員も、同じです。考える力が無い・創造力に
欠ける、だから意見が言えない・提案が出来ないというわけです。

つまり暗記型の詰め込み知識では、いくら良い点が取れても役に立たない
ということです。

本当の学力とは、自分で考え行動出来る力のことなのです。

人間は生まれながらにして、知的好奇心が強い動物です。他の動物と比べても、
五感が大変発達しています。

五感だけではありません。直観力というかインスピレーションのような閃きもあります。
第六感と言っても、よいでしょう。

さらには、第七感までもあるのです。人間の体の諸器官は、命令されなくても刺激に
反応して適切に対応します。心臓を始め内臓器官は、そうして心身の健康を維持して
いるのです。

まだ這い這いしているような赤ちゃんでも、目につく物・手に触れる物には何でも
興味を示します。そしていじくり回したり、口に持っていってなめたりします。

ましてやもの心ついた子どもたちは、「何だろう?」 「何故だろう?」 「不思議だ!」
「確かめてみたい!」 という意欲に駆られます。

この年頃の子どもたちの探求心は、とても旺盛です。だからこそ、探求活動が
始まるのです。

子どもたちは試行錯誤しながら、正解に到達することもあります。失敗して癇癪を
起こしたり、途中で諦めてしまうこともあります。

でもこの探求する力こそが、本当の学力につながるのです。

大人は子どもの探求活動に、口を出したり・正解を教えたりする必要はありません。
相談された時だけ、ヒントを与えればよいのです。子どもの力を信じて、じっと見守る
姿勢が大事です。

本当の学力を子どもたちの身につけるために、点数主義から早く脱却しましょう。
知識を覚えることに汲々とするのではなく、探求活動を大事にして自分で考える
力を身につけさせましょう。

本当の学力は、自分で考え行動する力です。言い換えれば、自立する力です。


コメント

点数主義の現状

今日は。
今回もまた、興味深い趣旨の記事ですね。

確かに、“自分で考え行動する力”はとても大切ですね。
私は大学に通う身なので、痛い程伝わって来ます。

周りを見渡せば、
試験は良い点数が取れるのに実際には何も出来無い生徒が
物凄く沢山溢れ返っています。

でも彼等は、今迄そうやって点数を取る事で評価され、
言わばそれが一種のステータスの様に感じていますから、
自身の創造力の無さに余り危機感を抱かないんですよね。
結果として自発的な問題解決能力は一向に成長しないまま、
温室育ちで4年間を終えてしまっている様に思います。

点数を叩き出す事こそが評価を得られる道だと疑わず、
更にその行為が“頑張り”だと信じています。
1度染み込んでしまった“点数主義”からは、
容易には開放されないのでしょう。

以前、社会を識る教育者とこのテーマを語ったのですが、
矢張り社会に出てからこれに気付く様では遅い、と。
学生生活の間に会得しておかなくてはならない能力であると
その場では結論付けました。

“学力”を本当に身に付けさせる“教育”を、
見直さなくてはならない時が来ているのでしょうね。

God-Bossさんへ

コメント頂き恐縮です。
競争主義が幅を利かしている世の中ですから、点数主義も頷けます。でもそれが自主性や創造性を阻んでいるのも、現状を見れば分かります。
私は長い間幼児教育に関わってきましたので、遠因を乳幼児期に求め勝ちです。あなたの周りで見かける生徒たちも、乳幼児期の家庭・親子関係に原因があるのではないでしょうか?
子どもの欲望を全て叶えてやる過保護型・満点を要求する完全欲型・逆に全く無関心な放任型、こんな家庭を多く見てきました。
私たちの指導力不足もありますが、日本中の家庭がそんな方向に向いていました。
子どもに挑戦させない・失敗させない・子どものやっていることを理解しない、等々。これでは、子どもが自分で考える力は育ちません。
家庭だけを批判するだけでは、ダメです。こういう考え方を強いる競争社会に(進学・就職を含めて)、大きな責任があるのです。
今こそ本当の学力を身につけさせないと、国際的にも取り残されてしまいますね。

  • 2008/01/13(日) 15:11:21 |
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  • 元園長 #-
  • [ 編集 ]

機会を与える環境を

国際的にも‥ですか。
2世代、3世代後迄見据えた、先見的な目が不可欠ですね。

>>あなたの周りで見かける生徒たちも、乳幼児期の家庭・親子関係に原因があるのではないでしょうか?
これは、正直に申しまして目から鱗でした。
私の中にはこういう発想自体、これ迄存在していませんでした。

と言いますか、私はこういった話を周りとする事を、
無意識の内に避けてしまっている様な気がします。
話題に挙げると面倒な事になってしまう恐れがありますから。
所謂“事勿れ主義”なんですよね、良くも悪くも。

でも確かに、根源的な話をするには避けては通れぬ、重要な部分ですね。
私も両親や周囲の人、そして環境に教わり、考える力を育んだのだと思います。
尤も、次第に自分自身だけで考えられる様になりましたが、
その切っ掛けというものが、今思い出せば確実に存在していました。

若し本当にこの体制を変えようと思うのならば、
その環境を意識的に変化させ、次の世代に機会を与え、
自らが考える力を付けられる様に仕向けてやるべきなのでしょう。

God-Bossさんへ

あなたは正直です。誰でも遠因に遡るのは、億劫です。幼児期を問題にすると、解決策も複雑になります。
それに、殆どは現状で解決できます。(ただその場合は、その場限りの対応になりがちです)
根本から解決するには、その人の誕生から順を追って見直す必要があります。
人の成長は(特に心の成長は)、生まれてから順々に成長しているのですから・・・
体制や環境を変えるには教育の力が大ですが、教育界を変えるのがまた大変ですね。

  • 2008/01/13(日) 19:11:38 |
  • URL |
  • 元園長 #-
  • [ 編集 ]

初めまして。「知的好奇心」を検索しこちらにお邪魔しました。
とても興味深い内容の記事でしたのでコメントを残させてもらいます。

この問題に関しては、社会的評価の面で仕方が無い部分があります。
また、個人的にはこのような教育に反対ではありません。

点数で表される学力が無ければ、考える力があっても
社会で評価されません。評価されないと言うのは
進学にも就職にも響いてしまうと言う事です。
これは日本の悪い点で、何かを始める時にいつも門が狭いんです。
特に年齢による差別的な受け入れ拒否を無くす努力が必要だと思います。

これの行き過ぎた傾向に対しては
社会全般的に評価の仕方を考え直せば良いのですが
実際、全員に細かく文章を書かせたり、面接したりするというのは
手間も掛かり、選抜の効率が落ちコストがかかります。

要するに何処もかしくもある程度は傾向で選ばざるを得ないのです。
経済無くして生きられない国ですから。これからは逃れられません。
自分が人事担当で東大10人と高卒10人のグループ
どちらを優先して選抜試験をしたいかと言ったら
確率を考えたら一目瞭然、東大生だと思うんです。

しかし、元園長さんのおっしゃる事もすごく分かります。
物事を論理的に考える教育をせずに
暗記だけで終わらせてしまうのは確かに問題ではありますが
勉強をするというのは、暗記+思考、双方が必要だと思うんです。
偏ってはいけない、バランスが必要ではないでしょうか?

考える力というのは、国語力と知識が必要です。
知識というのは、全て暗記が基で覚えているものです。
例えば、2×40=80が答えられるのは
2×4=8を九九を暗唱して覚えたからなんです。

と色々書きましたが、元園長さんは現場にいらっしゃった方なので
こういう事は考え尽くした事なのだろうと思います。

私はアメリカに数年住んでいたのですが
社会に認められるように勉強をしっかりとし
且つ、考える力と行動力を身に付けるために課外活動も参加する
勉強も課外活動も立派なハーバード生のような学生になるには
正直IQが高くないと自分が潰されちゃいそうな気がします 笑

しかし、自分が親になった時には、
本を読んで、一緒に森に遊びに行って、芸術にも触れさせ
哲学的に物を考える癖を付ける教育をしたいと思っています。
自主、自律、自由がモットーです。

日本は学校でも社会でも、受け入れる時に
もう少し柔軟な体勢が欲しいですね。

  • 2008/02/26(火) 05:09:33 |
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  • アズマ #-
  • [ 編集 ]

アズマさんへ

コメントありがとうございます 私のブログは保護者や教え子の質問や疑問に答える場合が多いので 部分的な意見になり ご理解しにくい点があると思います
評価については もっと人間性や 想像力を評価できるようなものを 考える必要がありますね 現状では 会社も官庁も 東大システムで成り立っていますから・・・
勉強には暗記と思考のバランスが必要というお考えは その通りです 暗記や知識だけに偏る教育への警告のつもりで この文を書いています
IQとは何かの研究も 深める必要がありますね そうでないと IQが低ければ 自主・自立・自由が 無縁の存在になってしまう危険があります

  • 2008/02/26(火) 12:20:55 |
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  • 元園長 #-
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