幼児教育を語るひろば

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再・虐待防止

きょう国会で、「改正児童虐待防止法」が成立しました。そもそも、子どもを虐待してはいけないと、法律で決めなくてはならないこと自体、悲しいことです。

「虐待」という文字は、虎が爪で人を殺害することを表しています。恐ろしい字です。
虐待の「待」は、もてなすということですから、殺害でもてなすという、身の毛もよだつ話です。

昨日も埼玉県で、3歳11ヶ月の男児が、両親から暴行を受けて重体になっている
というニュースがありました。父は33歳の会社員、母は22歳で、虐待を受けた子を
連れての再婚ということです。

夫婦は男児の頭や背中を数回殴り、回し蹴りなどの暴行を加えたと言います。そして、「言うことを聞かないから、教育の一環としてやった。」と、供述しているようです。

3~4歳といえば、まだまだ空想の世界で夢を見ている年令です。大人に依存しなければ、生きて行けない年令でもあります。

虐待の事例を検証すると、何らかの原因で、親子関係に歪(ひずみ)のあることが
分かります。そして、親子の関係が希薄になっていることも分かります。

どんな家庭でも、親子関係に問題が無いというのはありません。普通の場合、親子の距離は適当に保たれ、近づいたり離れたり、伸びたり縮んだりしながら、相互に働きかけ合って、正常な関係を維持しようと努めているのです。

つまり、親子の関係は、決して一方通行ではありません。仲の良い時もあれば、喧嘩の時もあります。平穏無事の毎日ではないけれど、それでもみんなでガンバッテいるのです。

では、どんな歪があると、虐待に走るのでしょうか? 一口で言うと、親子の距離が
遠いということです。なぜ、遠くなるのでしょうか? それには色々なケースがあります。私の体験談をいくつか紹介しましょう。

<A児の場合>
父親が頼りなく、Aの教育問題で夫婦喧嘩が絶えません。母親の期待は、全てAに
向けられます。Aの方は、なかなか母親の期待に応えられません。そのため、母親はAに暴力を振うようになりました。夫婦の距離が遠いことが問題でした。

<B児の場合>
3歳の時両親が離婚、母親が再婚した新しい父親に、なかなか馴染めません。母親は、Bが前夫に似ていることもあって、Bが疎ましい存在になってきました。そうして、素直で無いということで、虐待が始まりました。新しい結婚生活で、連れ子が邪魔になった例で、虐待の家庭環境としてよく問題になります。

<C児の場合>
父親の力が強過ぎて、母親もCも、父親の顔色を伺いながら、ビクビクして過ごす日常でした。父親は、子どもの教育を母親任せにしていますが、気に入らないことがあると、母親を責め、母子にすぐ暴力を振いました。母子の距離は近い方ですが、父親の力がそれを裂いてしまいます。

いずれの場合にも共通して言えることは、子どもは家庭内で孤立していること、救いの無い立場に置かれているということです。また、父・母・子の関係が、どこかで薄くなったり、切れたりしています。

校長在職中、私は「児童虐待防止について」という文書を職員に配布しました。その中で次のような時には、「虐待」を疑うようにと注意しました。

1.児童の身体に、ケガやアザを見つけた時。
2.指しゃぶり・つめ噛み・吃音・チック等の症状を見つけた時。(特に低学年児)
3.笑いが無くなり、無口になった時。
4.給食を食べない、食べてももどしたりした時。
5.ボンヤリしている・アクビが出る・集中力に欠ける時。
6.トイレへ行く回数が多くなった時。
7.不安げな表情・何かに怯えている感じがした時。
8.かんしゃくが激しくなり、愛情を拒否するようになった時。


これらは、学校の職員だけが注意すればよいことではありません。地域社会の全ての大人たちにも、気をつけて欲しいことです。

「改正児童虐待防止法」では、児童相談所や警察が、虐待家庭へ、従来より踏み込んで対応出来るようになりました。でも、こんな法律を必要としない世の中に、早くなるようにと願っています。

お父さん・お母さん方、子どもたちが一番安心して過ごせる場は、何と言っても家庭です。明るく、ぬくもりのある家庭づくりに、どうぞ努めて下さい。

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