幼児教育を語るひろば

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滄桑の変

昨日の午後、隣接する公園を散策しました。目に青葉の季節には少し早いような気もしますが、木々はもう新緑にキラキラと輝いていました。大きな紫の房になった見事なフジの花が、私の目を楽しませてくれました。

その折り、賑やかな子どもたちの声が聞こえてきたので、目をやると、5・6年生ぐらいの男の子たちが数人、学校から帰る途中でした。最近子どもたちの姿を見かけないので、私は珍しいものでも見つけたように、彼らを目で追いました。

公園には遊具もあるのですが、子どもたちは寄り道する様子もありません。公園を突っ切る方が近道なのに、誰も入ってきません。まっすぐに、各自の家に向っているようでした。

家に帰って何をするのでしょうか? 宿題でしょうか? IT機器利用のゲームでしょうか? それとも、塾やお稽古事が待っているのかもしれません。

この公園が出来て、30年以上経ちます。開園から十数年くらいは、いつも子どもたちの遊ぶ声で、賑わっていました。私の娘などは、学校からの帰りに、公園で友だちと遊んだり、おしゃべりしたりするのが、日課でした。家内が「通学時間は1時間だね。」と、よく冷やかしていました。(学校までは10分もかかりません。)

子どもにとって外で遊ぶということは、とても有意義なことです。でも今の世の中では
外で遊ばせるには、色々と心配があります。

然し、外遊びは必要です。何とか工夫して、遊ばせるように努力しましょう。外遊びには、走り・跳び・よじ登り・ぶら下がり、等々。色々な運動の要素が含まれています。そして、敏捷性・判断力・平衡感覚などを、身につけるのに役立ちます。

チームワークの大切さや、仲間とのゲームの面白さが、分かるようにもなります。仲間をリードしたり、リーダーに従ったり、友だちとの人間関係を築く場でもあります。

外で遊べない子は、協力して工夫したり、創造したりする活動が、苦手です。危険を予測したり、避けたりする力も劣ります。外遊びが足りないと、運動量も少なく、満足感・充実感も味わう機会も少なくなります。

外で疲れるまで遊び、家に帰って心身をリラックスさせた時の気分は、格別です。
汗を拭き、手を洗い、うがいをするという健康習慣も、自ずと身につきます。

でも現状は、子どもたちの生活の様子が、大きく変わってしまったのですね。

24日は、全国で小6・中3の児童生徒を対象に、学力調査が実施されるようです。
結果的には、益々競争社会を助長することになるでしょう。何よりも子どもたちを、
益々お宅族に追いつめてしまう心配があります。

新しい「教育基本法」でさえも、第2条「教育の目標」第1項で、「幅広い知識と教養を身につけ、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな
身体を養うこと。」
と言っています。テスト科目だけが学力というこの調査に、疑問を感じずにはいられません。

話を戻しますが、公園が出来る前まで、ここは畑でした。畑の周りに桑の木が植えられていました。私は「桑田変じて滄海(そうかい)となる」という諺を思い出しました。
桑畑が青い海に変わるように、世の中が大きく変わったという意味です。(本来は、「滄海変じて桑田となる」<滄桑の変>と言う。)

子どもたちが変わってしまったのも、彼らの責任ではありません。ただ、世の中どんなに変化しようとも、子どもたちのために変えてはならないことは、大人の責務として、
守ってあげなければなりません。

コメント

わが子の友達が家に来ても、家の中で遊ぶことが多くて、外に出ようと言い出すことは少ないです。大人が、言いだしっぺで追い出さないと外で遊ぼうとしないことに危機感を覚えます。へとへとになるまでどっぷりと遊びほうけていた自分の小学生の記憶を、子どもには持たせられないのかなあと思うと寂しいです。

  • 2007/04/24(火) 21:53:40 |
  • URL |
  • 東京娘 #-
  • [ 編集 ]

東京娘さんへ

子どもが変わったというより、子どもを取り巻く環境(世の中)が変わったのです。だから、子どもに罪は無いのです。外で遊べば、交通事故や誘拐の心配がある。家にいた方がテレビが見れる、マンガも読める、面白い室内ゲームも沢山ある、等々。更に、勉強・習い事と(スポーツも含め)、子どもたちを追いつめています。全部大人がつくった子どもたちの環境です。家庭も、学校も、そこに気づいて対応を考えなければ、子どもたちは益々外で遊ばなくなりますね。いいかげんに子どもたちを解放してやらないと、今に大人がしっぺ返しを受けますよ。

  • 2007/04/24(火) 22:36:13 |
  • URL |
  • 元園長 #-
  • [ 編集 ]

子どもを囲っているつもりはないけれど、子どもが純粋に自分たちの世界・社会を築いていける自由さが失われてしまっていますね。私たちにできることはどんなことなのか、考えなくてはいけないですね。
幼稚園の砂場のように、大人に支配されない「子どもたちの世界」がもっとあったら良いですね・・・。

  • 2007/04/25(水) 22:04:56 |
  • URL |
  • 東京娘 #-
  • [ 編集 ]

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