幼児教育を語るひろば

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幼稚園教育のこれから

同窓会(東京学芸大学)の会報100号が、送られてきました。「記念号だからいつもより分厚いな」と思いながら、目を通していましたら、かって同窓会が経営していたことがある、T幼稚園の紹介記事が載っていました。それも6ページに渡る特集です。

T幼稚園は、昭和40年(1965年)の開園です。私立の幼稚園ですが、同窓会との関わりが深いため、公立的な雰囲気が伺えます。私が勤務した幼稚園とも、組織・運営の様子が似ていました。そんなわけで、昨今の少子化についても、色々と対策に心を砕いているのが、記事から読み取れました。

例えば、「預かり保育」の取り組みがあります。事前に1時間単位でチケットを購入してもらい、降園後の2時から5時までの間を、預かるシステムになっているようです。途中昼寝・おやつタイムがあり、職員が輪番で保育に当たります。

私立ですから、経費の徴収は容易だと思います。私が勤めた園でも、早くから「預かり保育」を実施しましたが、公立のため無料でした。ですから、人・物含めて、運営は厳しいものでした。

T幼稚園は、質の高い幼稚園を目指して、次のようなことに取り組んでいくと言っています。
 1、教員の指導力の向上(採用・研修)
 2、関係機関との連携強化
 3、学芸大学幼児教育学部・付属幼稚園等との連携の強化(授業・行事)
 4、特色ある教育内容の充実
 5、預かり保育の拡大(新設・延長)
 6、地域教育事業の拡大(支援・相談)

これらはどこの園でも、今後いっそう力を入れて、取り組まなければならない課題です。特に4の「特色ある教育内容の充実」は、生き残りをかけ、各園が創意工夫して、実践していかなければなりません。

T幼稚園では、特色ある教育活動として、「図工」・「体操」・「英語」の活動を、週1回実施しているとのことです。これからの保護者は、益々教科的、あるいは知的な活動を求めると思います。

私の勤務した園では、地域の教育力を活かして、「わらべ歌と踊り」・「読み聞かせ」・「歌(合唱)の指導」など、情操面を育てる活動に力を入れていました。最近は「日本舞踊」の先生にも、舞踊の基本や礼儀作法を、指導いただいているとのことです。

いま話題の認定こども園について、T幼稚園でも触れています。これからの幼稚園は、少子化や共働き家庭の問題を考慮に入れると、保育園的内容を取り入れることが必要です。認定こども園は、幼稚園と保育園の機能を持たせる施設であることが、第一の狙いです。それに、子育て支援や相談機能を付加するというのです。

こども園の型は色々ありますが、T幼稚園では「幼稚園型」を堅持したいと言っています。多くの園では、そう考えていると思います。ただ、「認定こども園」についての保護者の理解は、まだまだ低いようです。

幼稚園は幼児教育の場です。そのために、どこの園でも「教育目標」を掲げ、それを
達成するために努力します。T幼稚園でも「職員の信条」の中でそう述べています。

「園長を中心とし、全員一体となって教育活動を意図的・計画的に勧めると共に、父母の信託に応えるため、自己の研鑽と実践に努め、父母と協力して教育活動に全力を尽くす。」

そして、「職員の厳正で誠実な勤務態度」・「明朗で礼儀正しい生活態度」・「明るく清潔な教育環境の設定」・「保育の充実と改善」をうたっています。要は、幼稚園職員の人間性・専門性だと思います。昔から、「教育は人なり」と言います。

T幼稚園は、「安全・安心の幼稚園」をうたっています。幼児が巻き込まれる事件が、色々ありました。幼稚園では軽視できない問題です。

保護者が送り迎えする幼稚園、送迎バスがある幼稚園、一見安全のように思えますが、最近の事故・事件を見ると、歩道に車が突っ込んできたり、送迎バスにひかれた事例がありました。交通事故ばかりは、対策十分と、安心できないのが現状です。

不審者対策は、どの園でも色々な手立てが講じられてきました。防犯カメラを設置した園、侵入防止センサーを設備した園、警備員を配置した園等、安全度は高まってきたようです。

でも、どんなに安全対策を講じても、完璧ではありません。大事なのは、幼児一人一人の、防犯意識を高めることです。そして、自分の身は自分で守るという心構えを、一人一人の子どもに植えつけることです。

幼稚園のこれからは、認定こども園のように、もっと多様な内容や課題を、受け入れる時代になると思います。ただ、どんなに変わって行っても、幼児教育が、人間形成の基礎になるのは変わらないということです。

コメント

幼児教育の本質を失わずに、時代にあったあり方を考えていかなければならないと思います。最近は、どこからも「子育て支援」という言葉がもてはやされていますが、子どもの幸せのための支援とは何か、親自身が感じるべき子育ての楽しさや醍醐味を奪うものもあるのではないかなあ・・・と感じます。いろいろな幼児教育のあり方があるでしょうが、人間形成の基礎になる幼児教育が本質を見失うことがないように、気を引き締めたいものです。

  • 2007/02/06(火) 22:10:31 |
  • URL |
  • 東京娘 #-
  • [ 編集 ]

東京娘さんへ

「子育て支援」が「子育て放棄」を助長するようだったら本末転倒ですね 先日も「はしの持ち方教室が人気だ」というコメントを頂きました 「親業」という言葉があります これだけは親が子に伝え そして躾けるというものがあります 不思議とそれは子育ての喜びと一致します なぜなら子どもの成長を直接感受できるからです だから幼稚園・保育園の保育者は 子育て支援の中身を よくよく吟味しなければなりませんね

  • 2007/02/07(水) 16:36:06 |
  • URL |
  • 元園長 #-
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