幼児教育を語るひろば

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教育迷走年

今年は、教育問題が世論を賑わせました。何よりも「教育基本法」が、とうとう改正されてしまいました。安倍首相は、内閣の最重要課題だと言って、衆院では与党による単独可決、産院では会期内成立を合言葉に、あっという間に可決してしまいました。

「改正教育基本法」は、低下した学力や規範意識を向上させるためのものだと言われると、国民の方も、何となくそう思い込んでしまっていたようです。

安倍首相肝いりの「教育再生会議」もスタートしましたが、どうやらこちらの方は、内輪もめもあって、ゴタゴタしているようです。教育の何を再生しようというのか、委員同士の見解もバラバラのようでした。

「教育」とひと言で言っても、間口も奥行きも広いので、どんなに立派な方針や施策を考えても、目に見える効果はなかなか現れませんし、評価も人によって違います。

せっかくの再生会議でも、「いじめ」・「必修漏れ」・「握力低下」等々を解決する特効薬が、未だに見出せずにいます。

でも、今年は国民の教育への関心が、非常に高まったように思います。識者もマスコミも、教育問題を取り上げて、色々と発言して来ました。特に、学校・家庭・地域の、それぞれが担う教育力の低下が指摘されました。ですから、先生・親・地域の大人たちが、この課題と真剣に向き合う姿が見られるようになりました。

話を「教育基本法」に戻しますが、19日の朝日新聞文化欄に、大江健三郎氏「心に教育基本法を」という一文が載っています。ここで取り上げている「教育基本法」は 勿論改正前のものです。

大江氏は、改正教育基本法の成立に伴い、次のような提案をなさっています。

「ついに失われてしまった教育基本法の小冊子を作って、新しく教師になる人、若い母親、父親が、胸ポケットに入れておく、そのようにしてそれを記憶し、それを頼りにもすることを提案します。」 と。

氏は、日本弁護士連合会の、教育基本法に対する「意見」に注目しました。特に、改正案の10畳「家庭教育」と、11条「幼児期の教育」の項目に、批判の焦点がしぼられているのに、共感したと言われています。

どちらの条項にも、国及び地方公共団体の関わりが明記されました。氏は、「教育の目標」や「徳目」が、公権力によって、一義的に決められることへの危惧を訴えられています。

氏は、改正前の教育基本法は、「作品」と呼ぶにあたいする文体を供えていると言われます。そして、この作品からは、戦後の貧しく先の見通しも難しい時代に、近い未来への期待を、子どもたちに語りかける声が聞こえるとも言われています。

私自身も、戦時中の軍国主義教育を体験しました。教育の場でも、「滅私奉公」が優先し、個性は否定され、人格も人間性も無視されました。現在の北朝鮮の国家体制と、何ら変わりないものです。

大江氏はこうも言っています。

「若い父親、母親が、個性に即したイメージや手法で幼児を育て、その展開として家庭教育を創り上げることに希望がある。」 と。

そして最後に、改正前の教育基本法の小冊子について、「幼児と共に、目に見える見えない抵抗に出合う時、若い母親が開いて見る本にしましょう。」 と言われます。


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