幼児教育を語るひろば

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トンビがタカをうむ

「ウリのつるにナスビはならぬ」「カエルの子はカエル」という諺があります。子どもは親に似る、血筋は争えない、ということです。

でも、「トンビがタカをうむ」という諺もあります。平凡な親から、優れた子どもが生まれることを言います。昔から伝わる諺に、相反する意味のものがあるというのは、どういうことでしょう?

知能は遺伝すると説く学者もいますから、「カエルの子はカエル」と言われるのも、一理あるような気がします。現に世の中には、優秀家系と言われる人たちがいて、江戸時代から続く、学者の家系や芸術家の家系が存在します。

それなら、どうして「トンビがタカをうむ」、という諺があるのでしょうか? 私は、知能遺伝説に疑問を持っています。なぜなら、人間の知能の基となるものは(知能の種と考えてよい)、実に多種多様で、あらゆる可能性を秘めている細胞?だからです。

知能の基は(種は)、成長発達して行く過程で、環境や刺激(知的環境)によって、どんどん枝分かれし、やがては花を咲かせ、実を結ぶのです。

優秀家系に生まれても、何もしないで放置しておくと、いつの間にか落ちこぼれてしまいます。つまり、知能の発達は、遺伝だけで決まるものでは無いということです。だからこそ、「トンビがタカをうむ」という諺が、今でも生き続けているのです。

知能の発達に関わるのは、何と言っても環境です。一流の芸術家として名を成した人がよく言います。

「両親が音楽好きで、家にいるといつも音楽が聴こえてきた。」
「部屋の壁には、色々な絵がかかっていた。」
「母親が染め物好きだったので、つい真似ているうちに、染色家になっていた。」

 等々。

私の教え子にも、親が読書好きだったので、自分も本を読むようになり、大学を出てから出版社に勤め、現在編集長として活躍している女性がいます。また、バード・ウオッチングが趣味の父親に連れられて、山歩きをしているうちに、自然が好きになり生物学を専攻、今は大学で教えている男性もいます。

「親は無くても子は育つ」、という諺があります。放任していても、子どもは育つように聞こえますが、それは、よい教育環境を与えておいた場合のことです。遺伝的に保障されている子どもでも、放っておけば、勉強嫌いになってしまいます。そう考えれば、知能の発達は遺伝でなく、環境問題であることが、理解できると思います。

環境で知能が育つと説明してきましたが、知的刺激を与える環境の工夫が大切です。そう言うとすぐに、オモチャだ・楽器だ・本だ・机だ・勉強部屋だ・・・と、慌てて用意する親がいます。具体物も大事ですが、先ずは知的な雰囲気づくりです。

それには、子どもの発達段階の把握が何よりも要求されます。背伸びした環境構成は かえって子どもの知能の発達を妨げます。つまり、我が子には、どの程度の環境を準備したら良いか?という見定めが必要なのです。

子どもの受け入れ能力が(レディネスが)不十分なのに、あれこれ知的刺激を与えても、子どもは混乱するだけです。最近、小学校から英語を必修にしようという話が起きています。

小学校の現状では、週に1~2時間、英語の時間を設けるのがやっとだと思います。それでは、豊かな学習環境とは言えません。そんな余裕があるなら、他教科の学習環境を、より豊かにする方が先だと思います。

「トンビがタカをうむ」諺から、横道に逸れてしまいました。要は、子どものレディネスを捉えて、豊かな学習環境さえ用意してあげれば、子どもの知能はどんどん伸びて行くということです。
 

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