幼児教育を語るひろば

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校内暴力

飲酒運転撲滅のため 各メディアでも 積極的に声をあげています 酒を飲んで運転した当人ばかりでなく 飲ませた飲食店も それに同乗者も 一緒に責任が問われる方向で進んでいます これによって 飲酒運転に対する関心が高まり 事故防止につながることを願っています

さて 昨日文部科学省から 昨年度の公立小中高校における 校内暴力の状況が
発表されました 一昨年度より 0.9パーセント増の30283件となり 2年ぶりに増加したとのことです

中でも 公立小学校で 児童が起こした暴力行為の件数は2018件で 一昨年度より6.8パーセントも増加しました 過去最多の発生数だそうです

特に 対教師暴力は38.1パーセント増の 464件もあったとのことです 教師に対する暴力行為は この3年間連続して 30パーセントを超える増加率だそうです

対教師暴力の原因について 文科省は 「明らかではないが ケンカの仲裁に入った教師に逆上し 矛先を教師に向けるケースが多いようだ 学級担任制で 教師一人に任せきりになるため 問題が放置されやすい状況がある」 と分析しています 確かにそういうことが多いと思います

校長時代の経験から 典型的な事例を一つ紹介します 6年生のAは 暴力行動
破壊行動の目立つ子どもです

対教師暴力事件
ある日 Aは 雨の日に室内でボールを(軟式野球用の)壁に投げていたのを Bや他の子に注意されました Aはそれが気に入らないと Bの足を蹴りました ちょうどそこへ担任が来合わせて Aを叱りました するとAは 持っていたボールを担任めがけて投げつけ 自分の机と椅子を倒して 雨の中を学校から飛び出して行きました

担任からの報告で すぐに手の空いていた教職員がAを探しに出ました Aの母親にも事情を連絡して 家で待機してもらいました また 交通事故などの心配もあるので 警察の少年係へも電話して 発見したら保護してくれるように頼みました

幸い Aは30分ほどして 集合住宅の自転車置き場で雨宿りしているのが見つかり 職員の1人が付き添って自宅まで連れて帰しました

子どもの背景
Aの家庭は 父親がいわゆる会社人間で 子育ては全て母親任せです 母親は「高校1年の兄がいる 弟のAは問題行動が多い 逆に兄の方は全く手数がかからない」
と言います

そのため母親は 「人一倍愛情をこめて Aの指導に力を注いでいる」 と言うのです ただ担任は 「母親の一方的な愛情が強いので Aはかえってわがままで 他人を愛したり 思いやったりする気持ちが あまり育っていない」 と言います また 「父親との関係が薄いので 権威と対決したり 服従したりするような経験も無く 精神的な弱さがある」 とも言います

その後 私はAと面接して 彼がどんな問題を抱えているのか なぜ教師に暴力を
振ったのかを 考察してみました

Aは 先ず兄との関係を話してくれました 「小さい時からよくケンカしたが 4歳年上なのでどうしてもかなわない」 兄に対して被虐待意識を持っているようでした  これが不満の原因の1つになっているのでは? と推測しました

ケンカは 成長を援ける働きがあります 相手の力や自分の力を知って 「協力」の知恵を身につけます ただこれは 力が同じくらいでないと効果は期待できません 対等のケンカからは 「友情」も芽生えます

Aは いつも兄に負けるだけですから 「けんかに勝ちたい」 「強くなりたい」 そんな気持ちだけが育って 自分のことだけを考える子になって行ったのでしょう
相手の気持ちなど考える余裕はありませんから 暴力を振うようにもなったのです

母親任せの子育ては ともすると 母親に異常な負担を負わせることになります それが子どもに直接伝わりますから 親子関係をゆがめることになるのです 子どもは 何となく家庭生活に 不満を持つようになりますし 親子関係も不安定になります 

こんな家庭環境だと 子どもも疲れ ストレスが溜まります Aにも ストレスが ずいぶん溜まっているようでした それが彼の人格をゆがめて 攻撃的な行動を呼び起こすのではないでしょうか?

人格のゆがみとコミュニケーションは 悪循環するようです Aの交友関係を調べると大変薄く 殆んど孤立しているようです 友だちの少ないことが かえってAを排他的にしているようです 本当は自意識の強い子ですから 内心 劣等感や差別感に悩んでいるのだと思いました

学校の対応
Aの 攻撃的な行動の背後にある満たされない気持ちを どう受け止めてやるかが 教師としての大きな課題だと思いました

その後 担任に協力してAの指導を続けました 第1に家庭との連携をより図るように心がけました Aの両親のチームワークが 一挙に改善するとは期待出来ません
気長に Aにとってどんな父・母であって欲しいか 担任から 事あるごとに伝えてもらいました

関係機関の力も借りました 市の教育相談所へも母子で通ってもらいました そこでの助言が 色々役立ったようです

Aの母親は 気づかないうちに過保護・過干渉になっていて それが親に依存するような関係を生み出していました  ですから Aは自分の考えや意見を 言葉で伝えるのが下手で すぐ暴力によって 要求を通すようになってしまったのです 

そこで学校では Aが 担任に依存するような関係を築くように 努力しました そして 担任との関係から Aが自分で考えて 判断して 行動するるるような機会を 多く
経験させるようにしました

他に 学級の雰囲気づくりも大事だと考えました こうすれば人が迷惑する こうすれば人が喜ぶ などと考える力は 学級の人間関係の中でつくられて行きます 学級の人間関係づくりを支えるのが 担任の役目です

こんなことを Aの対教師暴力事件で試みました 少しでも 校内暴力をなくす
ために 役立てば幸いです  

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