幼児教育を語るひろば

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認定子ども園

今年の3月に 政府与党が提出した 「就学前の子どもに関する教育・保育等の総合的な提供の推進に関する法律案」 (いわゆる「認定子ども園」)が国会で可決され
6月15日付けで公布されました これに伴い「認定子ども園制度」が この10月1日から いよいよ施行されることになります

「認定子ども園」の認定基準は 都道府県の条例で定めることになっていますから 現在各自治体ごとに 条例制定のため作業が続けられています そして すでにいくつかの県で 基準案を発表しています

私が公立幼稚園に勤務していた頃から(1992~1998年) 少子化の問題が メディアでも取り上げられるようになりました それに加えて 仕事を持つ母親の増加問題も 話題となりました そして 幼稚園に入園を希望する子どもの数も だんだん減少してきたのです

保育所(園)に入所を希望する子どもの数も 総体的には減ってきたのですが もともと入所待機児を抱えていた保育所は その解決策につながり 幼稚園ほどの影響は受けずに済みました 

ただ 0~2歳児の保育は 施設の改善も必要ですし 保育者の数も増やさなくてはなりませんから 依然として厳しいものがありました それに仕事を持つ母親も増えたので 0~2歳児の入所希望は 減るどころか かえって多くなりました

ところで 今回の「認定子ども園」は 「幼保一元化」が 日の目を見るようにも受け止められていますが 実際はどうなのでしょう?

おさらいですが 幼稚園は 学校教育法に基ずいて 幼児教育を行う施設です 文部科学省が所管しています 保育所(園)は 厚生労働省が所管し 働く親に代わって 子どもの生活の面倒をみる施設です

保育所に子どもを預けている親も 出来れば子どもを幼稚園に通わせたい(幼児教育を受けさせたい) という願いがあります 今回の「子ども園」に 幼・保両者の機能が共存するなら 親にとっては好都合です 勿論 園児減少に悩む幼稚園にとっても 救いの神となります

私が勤務した幼稚園は 垣根1つで隣りが公立保育園でした しかも自由に行き来
できるような通用門がありました そこで保育園と相談して 互いの保育活動を交流
し合うことを考えて 色々試行してみました

互いの園を訪問したり 園庭・飼育舎等を見学したりすることは容易でしたが 1回見れば長続きはしません 行事に招待し合うこともよいのですが これもその時だけのものでした なかなか思うような成果はあがりません

そこで 私は 幼・保交流の問題点を探ってみました 調べてみると 両者は運営上非常に差異があり 調整が難しいことが分かりました 新しい「子ども園」でも この差をどう調整するかが 成否のカギになると つくづく思いました

幼稚園と保育所(園)の違いをまとめてみます

・施設設備の違い (幼は教室的な発想 保は生活の場としての発想)
・保育内容 保育活動の違い (カリキュラム・教材・遊具等も違う)
・保育組織の違い (幼は学校組織)
・保育時間の違い (保は長時間保育)
・保育料の違い (公費・私費負担等が 幼・保で違う) 
・職員の勤務条件 (資格・待遇・勤務時間等)
・園児募集条件 (保は家庭状況によって多様)
・保護者への対応 (保護者会・連絡法等 違いがある)


以上の他に 何よりも職員の意識の違いがありました それぞれが使命感に燃え プライドもあるのですが 時によっては 保育内容や活動において意見の食い違いを生み 溝が出来ます

また 公立幼稚園・保育所では 所管が違う縦割り行政ですから 予算・人事に影響が出てきます 現状では 親側の利用料にも影響があります

「認定子ども園」の利用料が 今より安くなるなら文句は出ないでしょう 法案によると 子育て支援の多様な機能を持たせようとしています 施設費や人件費が増えると予想されます 利用料が安くなるのは 望めないのではないでしょうか?

しかも 0歳児から就学前の子どもまでを対象とする「子ども園」は 今でも待機児の多い0~2歳児のことを考えると 受け入れ施設と保育者の充実が 相当難しいと思われます せっかくの「子ども園」が 絵に描いた餅になっても困ります

新しい「子ども園」では 気になることが色々あります 幼稚園が「子ども園」になった場合の所管は文科省 保育所は厚労省 無認可保育園は地方自治体の所管になります うまく機能するとよいのですが・・・

それでも10月1日からは 「認定子ども園」の新制度がスタートします 法で謳うように 就学前の子どもに関する教育・保育等の総合的な提供の推進に 行政は力を発揮して欲しいと思います 又その成果を 私たちもしっかり見守って行きたいと思います  
 

コメント

お互いを知る

幼稚園は教育、保育園は保育。違う部分もたくさんあって、それぞれに「子どもに一番良いものは」と長く積み重ねる中で培ってきたものがありますね。夏休み中の研修でも幼保一体型施設の現状を聞く機会がありましたが、試行錯誤を繰り返してなかなか成果まではまだ分からないという印象です。お互いに大切にしているものを理解するためには、実際に現場に行って、子どもを目の前にしながら、繰り広げている日常に触れなければならないのではないかと強く思うこのごろです。時間をかけて互いを尊重しあいながら次のステップにつなげないと、子どもが混乱するでしょう。お互いに主張したり、話し合いで分かった気になるのは危険な気がします。

  • 2006/09/06(水) 22:31:42 |
  • URL |
  • 東京娘 #-
  • [ 編集 ]

幼保一元化

はじめのボタンを掛け違えると 結果的には合わないと言います いつの間にか 幼保の保育活動・組織・人事・予算・運営面等々で  大きな差が出来ました その点 行政の責任大です ただ 「教育は人」と言われます 問題点は色々あっても 幼保の人間関係の改善から始めて 要は子どものための一元化と割り切れば 光明は見えてくるのでは? 少子化だから一元化すればよい そんな簡単なことでないことを 現場の皆さんが一番よく知っていますね

  • 2006/09/07(木) 09:53:37 |
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  • 元園長 #-
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