幼児教育を語るひろば

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幼児化

ラジオで 奈良の放火殺人事件を分析していた学者が 高1の少年の行動を 「幼児化」という言葉で説明していました 要するに 社会性がない 人と関わる力がない 常識がない つまり普通の生活が出来ていないためというわけです 

「幼児性」と言えば 人間づくりの基盤ですから とても大事なものです 幼児性には将来性もあり 発展性もあります でも「幼児化」というと あまりよい意味では使われません どんどん後戻りして行って 人間性が失われていくような状態のことです (大人の事件でも 使いたくなるような言葉ですが・・・)

容疑者の少年は 確かに幼児化していたのでしょう 私は彼の父親にもそういう面があったのだと思っています (あるいは 同じような育ち方をしてきたのだと思います) それに 学校もそうです 進学校が得てして陥り易いのは 知識偏重のため ややもすると 社会性を育てる面が疎かになってしまうことです

アナトール・フランスの小説(本名アナトール・チボー 1844~1924年)
「ピエール・ノジエール」の中に 「母の話」 (岸田国士訳・新潮社版)という章があります その中で 作者は自分のお母さんのことを こう書いています

(前略)母は家庭向きの奥さんという性の人で 家の中の用事にかかりっきりだった
しかし 彼女のものの考え方には どことなく面白いところがあったので 家の中のつまらない仕事もそのために活気づき 潤いが生じた 母は ストーブや鍋や  ナイフやフォークや 布巾やアイロンや そういうものに命を吹きこみ 話をさせる術を心得ていた つまり彼女はたくまないお伽話の作者だった 母はいろいろなお話をして 僕を楽しませてくれたが 自分ではなんにも考え出せないと思っていたものだから 僕の持っていた絵本の絵を土台にして お話をしてくれたものだ
これから その母の話というものを一つ二つ紹介するが 僕は出来るだけ彼女の話しっ振りを そのまま伝えることにしよう これがまた素敵なのである


ここでは 「学校」というお母さんの話の中から ほんの一部分を紹介します

学校から帰って来ると エムリーヌ・カベルさんは いいお点をいただいたということを お母さんにお話ししました それから その後でこう言いました
「いいお点って なんの役に立つの ねえ お母さん?」
「いいお点っていうものはね なんの役にも立たないんですよ」 とエムリーヌのお母さんはお答えになりました 「それだからかえって いただいて自慢になるのです そのうちに あなたもわかってきますよ いちばん尊いご褒美っていうのは 名誉にだけなって 別に得にはならないようなご褒美です」


アナトール・フランスは こんなお母さんに育てられたことを いつも感謝していました 「冷静は 常にものの道理を考えさせる唯一の力」 という彼の主義は お母さんの
影響によるのだと思います

子どもたちに こういう本を いっぱい読ませたいと思うこの頃です
 

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