幼児教育を語るひろば

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子どもの考え

雲の動くわけ
「ピアジェ・子どもの因果関係の認識」(明治図書刊・岩田秀訳)から。
 このブログで前にも取り上げましたが、今回は子どもの説明に注目します。
ピアジェ(1896〜1980年. スイスの心理学者. 児童心理学の権威)


雲の運動に関する子どもの説明は、5つの段階に区別できます。

Q, なぜ雲は進むのか? (動くのか?)
 
第1段階は魔術的段階である。われわれが歩くから雲が進むのである。雲は距離をおいてわれわれについてくる。この段階の平均年齢は5歳である。

「人が進むと(歩くと)、雲も進みます。」
「雲はいつでも進んでいます。猫が歩いても、犬が歩いても雲は進みます。」

第2段階は、人工論的であると同時にアニミズム的である。雲が進むのは、人間または神が進めるからである。この段階の平均年齢は6歳である。

「神様が雲を動かすのです。」
「神様が雲を押すのです。」
「人間が動かないでじっとしていると、雲は人間をながめています。」

第3段階は、雲はひとりでに進むのだが、子どもはその運動の理由をはっきり言わない。この段階の平均年齢は7歳である。

「月が(太陽が)雲を進める。」
「太陽の光線で雲を押す。」
「もうすぐ夜になるから雲が進む。」
「雨が(風が)雲を動かす。」
「空気が雲を動かす。」
「寒いから雲が動く。」

第4段階の子どもの場合は、雲を押すのは風であるが、この風は、雲そのものから発生した風である。この段階の平均年齢は8歳である。

「雲が進むと、風が起こります。」
「雲がじっとしているときには、あまり風はありません。」
「雲が速く進んだり、ゆっくり進んだりするのは風のためです。」
「雲が風を(空気を)吹き出すんです。」
「雲が進むのは、流れがあるからです。(空気の)」
「それが雲を引きとめているから、雲は落ちてこないのです。(空気が逆流して)」

第5段階では、正しい説明が発見される。この段階の平均年齢は9歳である。


子どもの説明段階は、明確に区別出来るわけではありません。子どもの説明は、各段階が入り混じって現れます。説明には、どうしても前の段階の観念の名残りが影響します。

ピアジェは、この調査の結論としてこう述べています。

もちろん、8〜9歳以後は、子どもは教わったことをくり返しはじめるので、この5段階を完全に純粋な形で把握することはまれである。この年齢の子どもにコペルニクスの体系を教えこもうとするある種の教育者の奇妙な気違い沙汰は、さらに奇怪なもろもろの歪曲を生じさせている。
 子どもは、授業を聞いて、地球が太陽を回すのだと結論する。あるいは、太陽が動かないことから、雲もそうだと結論する(両者は同じ次元であり、両者とも動いているように見えるから!)。



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