幼児教育を語るひろば

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三の酉

あはれ 秋風よ
 情(こころ)あらば 伝えてよ
 ー 男ありて
 今日の夕餉(ゆうげ)に ひとり 
 さんまを食ひて 思ひにふけると。


有名な佐藤春夫の、「秋刀魚の歌」の出だしです。さんまが食卓を賑わすのは、秋の風物詩です。一見この歌は、そんな秋の風情を詠んだように思わせます。でも何か心冷たい寂しい食卓を連想させます。

あはれ 人に捨てられんとする人妻と
 妻にそむかれたる男と 食卓に迎へば
 愛うすき父を持ちし 女の児は
 小さき箸をあやつりなやみつつ
 父ならぬ男に さんまの腸(はら)くれむと 言うにあらずや


この歌がどこか背徳的なのは、佐藤春夫が妻に逃げられ、谷崎潤一郎の妻千代との結婚問題で悩んでいた頃の作だからと言われます。

さんま、さんま、
 さんま苦いか塩っぱい(しょっぱい)か、
 そが上に 熱き涙をしたたらせて 
 さんまを食ふは いづこの里のならひぞや。
 あはれ そは問はまほしくをかし。



三の酉
今年の11月は「三の酉」まであります。十二支を順に並べると、1〜6日の中に「酉の日」があれば11月中に「三の酉」が来ます。計算上は、2年に1度「三の酉」があります。

「酉の日」は、鷲(大鳥)神社系の祭りで「酉の市」が立ちます。酉の市では縁起物の熊手が売られ、幸せをかき集めると言われるので庶民が競って買い求めます。

火の用心のための先人の知恵でしょう?  三の酉まである年は火事が多いと言われます。それに、「火事と喧嘩は江戸の華」とも言われました。

江戸っ子は、 火事に遭っても失うものが無いと言われました。 火事があると、 かえって家の再建のため大工や左官は勿論、多くの人が仕事にありつけて、手間賃も上がるので喜んだと言われます。

「江戸三男」と言えば、「与力・相撲取り・火消しの頭」 のことです。 中でも火事で活躍する火消しは、江戸市民の人気の的で、その頭は今ならヒーローです。

江戸には「いろは四十八組」の町火消しがあり、「〇〇組の〇〇」と言われるスター格の火消しが何人かいて、畏敬の念を持って迎えられました。

火消しを「鳶者(とびもの)」と言います。江戸時代は水で火を消すよりも、鳶口を使って燃える物を叩き壊す破壊消防でした。

火消しの身なりはこざっぱりしていて、鳶口を肩に担いで歩く姿は粋で男らしく、いなせな江戸っ子の代名詞でもありました。

「三の酉」余話です。


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