幼児教育を語るひろば

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再・親業

昔から「親の因果が子に報ゆ」と、言われます。仏教的には、「前世の悪行の報いとして現在の不幸がある。」という教えです。転じて、「親の悪い行いのために、罪の無い子が災いを被る。」という訳です。

自殺・家出・不登校・暴力行為・万引き・窃盗・・・   など、 子どもたちが引き起こす問題行動は、今も後を絶ちません。

子どもにも問題はありますが、その8〜9割は親に原因があると考えられます。つまり親の過保護・過干渉・躾の甘さ・放任・無関心・・・ などが、それです。

親と子は、とても近い関係です。だから子どものことを一番よく知っているのは、親のはずです。でも親子関係が断絶している場合は、親は子どもの本当の姿が分かりません。と言うより見ていないのです。

長い教員生活で、そんな親子の関係を色々と見聞きしてきました。


A(当時5年男児) の父親は、タクシーの運転手でした。競馬が好きで、やがて収入の殆どをそれに注ぎ込むようになりました。5人家族(夫婦と子ども3人)の家計は、だんだん苦しくなりました。奥さんがスーパーのアルバイト収入で、それをやっと支えていました。

競馬のため、父親は借金までするようになりました。そしてとうとう自己破産して、禁治産者の宣告を受け、夫婦は離婚して家庭崩壊に追い込まれました。
A は母親と共に、母親の実家で生活するようになりました。彼は中学生になってから急速に非行化して、刑法に触れる行為で初等少年院へ収容されることになりました。


B(当時6年女児) の母親は、いわゆる教育ママで、B を有名中学校へ進学させるために彼女のお尻を叩きました。

B 自身はあまり乗り気で無く、成績もパッとしません。母親に言われるままに、有名中学3校を受験しました。でもいずれも不合格となり、結果的には公立中学校へ進みました。

母親は狂ったように Bを責めました。「ダメ人間!」・「怠け者!」・「こんなバカな子を産んだ覚えは無い!」・・・ などと。

B は中学生になってから、家出を繰り返すようになりました。中二の頃から不登校になり、夏休み明けには自殺未遂までひき起こしました。結局彼女は、児童相談所で保護されることになりました。



子どもの一番身近にある親は、その人格形成に大きな影響を与えているのです。
子どもの心を見失った親・子育てに自信喪失の親・競争社会で生きる親・・・・ 
親も大変ですが、それでは良い影響を及ぼすことは出来ません。

でも子育ての深層を探って見ると、子育てについて親の自信の無さが見えてきます。「親は子の鏡」です。自信が無いと、鏡はゆがんでしまいます。鏡がゆがんだら、子どもは成長の手がかりを見失ってしまいます。

親と子の人間関係が如何に大切であるか、親のごく自然なしぐさや言葉遣い・思いやりが、子どもの健全な成長を援けます。

 人の親の  心は闇にあらねども 
      子を思う道に  惑いぬるかな
  (藤原 兼輔)

子故に迷う親心は分かりますが、子を視ること親に如かずです。



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