幼児教育を語るひろば

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どう育てるか (4)

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マリーゴールド (2015, 8. 3 写す)
  猛暑の日中に、シジミ蝶が蜜を吸いに飛来。

人間の教育
 (岩波文庫版 荒井武訳・玉川大学版は「人の教育」)

堅い話が続いたので、少し話題を変えます。

フレーベル(1782〜1852年)は「幼児教育の父」と言われ、私もこのブログを書くため度々お世話になりました。
今回は「人間の教育」の中から、今まで取り上げなかったことを私なりの解釈で2話紹介します。

食べ物のこと
フレーベルは、「幼児期の食べ物の問題は、子どもが成長するためにとても大事なことだ。」と言います。食べ物によって丈夫で賢い子にもなるし、ひ弱で愚かな子にもなると言うのです。

食べ物の問題は、幼児期だけに留まりません。将来、心身健全な人間になるか
ならないかが懸かっています。

赤ちゃん時代は母乳で育つので、それほど心配はありません。心配なのは、人工的な加工食物を摂るようになってからです。

幼児期は、必要以上に手を加えた食べ物は不要です。 なるべく淡白で単純で、
自然食に近い食べ物が勧められます。特に香料を多く使った物・刺激の強い物・脂肪の多い物などは、感心しません。

それから気をつけることは、食べる量です。食べ過ぎないこと、腹八分目が適量です。香りや刺激の強い物・味の濃い物・おいしい物などばかり食べるのもいけません。続けると癖になり、栄養のバランスが崩れ、かえって病気になります。

子どもが欲しがるものだけ食べさせると、偏食の原因になります。偏った食事は、身体虚弱化の元凶です。こういう食生活は下品だと、フレーベルは言います。

気づかずに、子どもの食生活を乱している親が沢山います。子どものために良かれと思っても、健全な成長や生活を乱しているのです。

私たちは、身の回りにある単純な自然物には気づきません。遠くにある真の生活とは無関係な人工物に憧れて、手を出す習性があります。気をつけましょう!


悪いのは大人?
ある少年が、隣家の窓に小石を当てようと熱心に試みていました。少年はこの段階では、小石が窓ガラスに命中したら窓ガラスが割れるとは思っていません。今は命中させることだけで、頭がいっぱいなのです。やがて小石は窓ガラスに命中して、ガラスが割れます。これを見た少年は初めて驚きます。そして、その場に呆然と立ち尽くしています。

これを見た大人は(特に教師は)、理由も質さずに子どもを叱ります。子どもの行為は間違っていると決めつけ、くどくどと説教して、時には罰を与えます。

もちろん、子どもに全く非が無いとは言えません。でもこの頃の子どもには、このような衝動がしばしば起きるのです。子どもにすれば、無邪気で害の無い行為だと思っています。時には自慢したい行為でもあるのです。
(殆ど満足な結果を得ることは無いのですが・・・)

大人は、自分の子ども時代のことを忘れています。だから子どもの行為をすぐに悪いと決めつけます。ふつうなら「悪さをし過ぎた、やりす過ぎた。」 と、考える程度のことなのですが・・・  

ところが身近にいる大人は(特に教師や親は)、それを許しません。子どもの行為の心の奥までは、考えてあげないからです。

大人には、すでに社会的規範や道徳観が身に備わっています。だから、先入観で子どもたちが馬鹿げた衝動を行動に移す前に、先回りしてやめさせようと考えてしまうのです。そのため、叱責や説教が多くなるのです

子どもたちの全ての行為には、それなりの意味があります。それは探求する心、あるいは創造する力でもあるのです。大人社会へのあこがれでもあります。 
大人は知らず知らずのうちにそれを妨害しているのです。

フレーベルは、人間の本性は「善」だと言いました。「性善説」です。
では、なぜ誤ちや不正を犯すのでしょうか?  本来の善なる心は、何らかの原因で圧搾され、押し込められた状態になっていると言います。

その殆どは、大人の誤解か先入観に起因します。子どもの行為を認めず否定するために、子どもの心は圧搾され、押し込められてしまうのです。

人間は常に正義を求めています。子どもたちも例外ではありません。信じて悪者扱いするのをやめましょう!                          ー終ー  


社会は幼児教育の中に自己の夢をひそかにかくしておくが、おとなの生活の
中には、社会の現実とそのみじめさが読みとられる。
                                   ミシェル・フーコー


 (8月2日付 朝日新聞「折々のことば」から)                  



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