幼児教育を語るひろば

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どう育てるか (3)

教育の過程
 The Process of Education  (1960年) 
    鈴木祥蔵・佐藤三郎 翻訳 岩波書店発行 (1962年)
 

戦後教育界にセンセーションを巻き起こしたのが、ブルーナーの「教育の過程」です。

当時ソ連 は(現ロシアが社会主義共和国の時)、世界初の人工衛星スプートニクの打ち上げに成功しました(1957年10月)。アメリカ国民は大ショックを受け、科学技術でソ連に負けるな・追い越せの時代でした。

その頃教育界で幅を利かせていたのは、デューイの (1859〜1952年)経験
学習でしたが、ブルーナーはそれを批判しました。

ブルーナーは「どの教科でも知的性格をそのままに保って、発達のどの段階の
どの子どもにも、効果的に教えることが出来る。」という仮説を立てました。

彼は「教育の過程」の第2章で、教科の構造化(物事がどのように関連しているか)の必要について説いています。それと並んで、学習における発見の重要性を強調しています。

それには学習や研究、あるいは問題解決の態度を養うことが求められると言います。大切なのは、子どもの心の中に、発見を促す興奮の感覚を起こさせることだと述べています。(a sense of excitement about discovery)

ブルーナーの主張は、教材が持っている固有の興味を、より子どもが発見し易いように工夫してやることです。準備(レディネス)が出来ていれば、子どもは対処出来ると彼は言うのです。

アメリカ社会は、 ブルーナーの理論が学問の向上に役立つと期待しました。
「発見学習」というキーワードで、急速に各学校で取り組むようになりました。
アメリカ教育が導入されたばかりの日本の学校も、例外ではありません。

でも今は、「教育の過程」もすでに古典扱いです。従来の学習指導(方法)とどう違うのか、疑問を持たれています。
「発見学習」は、学習の方法なのか?  目的なのか?  発見の能力を養成するのか?  
議論が、と言うより疑問が提示されるようになりました。

ただカリキュラム(教育課程)について、ブルーナーは大事なことを指摘しています。このことは、学習指導要領の改訂に当たっても重視して欲しいと願っています。

カリキュラムの改造について、ブルーナーは「最初の、そして最も明白な問題は、普通の教師が普通の生徒に教えることができる教育課程であると同時に、いろいろな研究分野の基礎的な、つまり、その根底にある原理を明確に反映している教育課程をどのように編成するかということである。」 と、述べています。

また、原理的・体系的な知識の学習においては、「ある分野で基本的諸概念を習得するということは、ただ一般的原理を把握するというだけではなく、学習と研究のための態度、推量と予測を育ててゆく態度、自分自身で問題を解決する可能性にむかう態度などを発達させることと関係がある。」 と、言っています。


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