幼児教育を語るひろば

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自由とは. 2

「魅せられたる魂」の主人公アンネットの生き方は、現代の若者たちにも無縁ではありません。読書離れが取り沙汰されるこの頃ですが、ぜひ目を通して欲しい小説です。(ロマン・ロラン作. 宮本正清訳. 岩波文庫)

特にアンネットの感情の微妙な揺れ動き・考え方や悩みの深さなどを、読み取って欲しいと思います。

「魅せられたる魂(全10冊)」は、すでに古典の部類に属します。原書自体難解のようです。構成が大きく内容も複雑です。 訳本は半世紀以上も前の1940〜
1942年に翻訳されていますので、それを読むだけでも一苦労ですが・・・
1954年に改訂版が出て、私の手元にあるのは1986年の第36刷です。



第一巻 アンネットとシルヴィー (「魅せられたる魂」岩波文庫 改訳版第36刷より)
       愛、そは万有のはじめに生まれしもの、
         愛、そは、後に思想を生むであろうもの・・・
                                         リグ  ヴェダ
 

「僕はすべてが欲しいんです。たった今、僕にすべてをくれるわけにはいかないと云ったのはあなたですよ。」
「あなたはわたしをおわかりにならないのですわ。わたしは、『わたしを自由なものとして受け容れてくださいますか?』と云ったのです。」

「自由だって?」とロジュは用心深く答えた。「すべての人は自由です、フランスでは八十九年以来・・・・」
(アンネットは微笑った(わらった)『また十八番(おはこ)が・・・』 と。)

「・・・・それはとにかく、互いによく理解しなければならないんです。結婚する以上、あなたは全然自由ではないのは明らかですね。その行為によって、あなたは義務を負うのです。」
「わたしはあまりその言葉を好きませんの。」 とアンネットは云った。


「わたし、あなたがお選びになるものの価値をとやかくいおうとは夢にも思いません。でもそれがわたしに押しつけられるのは正しいでしょうか?  

もしわたしに空気がたりないならば、窓をあけるーー そして窓ばかりでなく扉も少しあける自由をーー (いえ、わたしたいして多く求めませんわ) わたしに許してくださるのが公平だとお思いにならないこと?  

わたしがちょっとした活動の分野や、知的関心や、わたしの友達などをもっていて、いつも同じ地上の一点に、同じ地平のうちに閉じこもっていないで、それを拡げようと努めたり、転地したり、移住したりすることが・・・・ 

(もしそれが必要ならというのですわ・・・・ 今のところでははっきりわからないのですけれど。でもとにかく、わたしはそれが自由にできることを、自分に望むことができることを、自由に呼吸するのができるのを、自由に・・・・ 自由であることの自由ーー たとえ一度も自分の自由を行使することがないにしても ーーを感じる必要があります。)ごめんなさいね。

ロジェ、多分あなたはこうした要求をばかばかしい子供らしいものとお思いになるでしょう。しかしそうじゃないのよ、ほんとに、それはわたしの存在のいちばん深いものですわ、わたしを生かしている呼吸です。もしそれをわたしからとりのけてしまったら、わたしは生きられないでしょう・・・・ 

愛によってわたしはすべてをします・・・・ しかし束縛はわたしを殺します。そして束縛されると思うとわたしは反逆者になるでしょう・・・・ いいえ、二人の人の結合はお互いの束縛になってはなりません。それは二重に花をひらくことでなければなりません。

わたしは、めいめいが、相手の自由な発達を妬む代りに、喜んでそれを授けたいものだと思いますの。そうなすって、ロジェ?  わたしを十分に愛することができて、わたしを自由なものとして、あなたから自由なものとして愛してくださるほど ?」 



あなたの人生観(恋愛観・結婚観)と、比べてみてください。この長編小説から、
あなた自身も「魅せられたる魂」となることでしょう。


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