幼児教育を語るひろば

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母は強し

中川一政(1893〜1991年 画家・詩人)の詩に、「貧しき母」があります。

     貧しき母
 人はなべてかなし
 さ夜ふけし夜のみち
 米何升を買ひてかへるもの
 あにわが母のみならんや

 われはけふ
 しほ鮭のひときれを
 買ひてかへるまづしき人を見たり
 顔あおざめて
 この世にいまは為すことなきが如けれど
 背には子を負へり
 何も知らざるをさな児よ
 汝が母がくるるものはうまきかな

 ねむれ、いとし児
 みちたりて
 ねむれいとし児
 なが幼児なる日
 母は世にも貧しきくらしをなしつつ
 なをそだてあぐるなり

 すべて人は労苦す
 すべてのものはみなかなし
 されど子をまもる母はありて
 おのれひときれの塩鮭を
 紙につつみて買えども
 なほ世のどん底に
 死なせずしてとらふる力あり
 なほ世のためになさしむるなり
 いとほしめ汝が児を
 おのがじし
 わが児を負へる
 ちまたの母は涙ぐましきかな。


私が育った頃の母親像を、見事に歌い上げています。当時の多くの子どもたちは、こうして育てられたので、母親に対する思いも格別なものがあります。

私も4人きょうだいですが、集まるとどうしても母親の思い出話になります。
父親には悪いのですが、命日でもなければなかなか話題に上りません。

中国の思想家 孟子(前372〜前289年?)のお母さんが、わが子の教育に苦心した話 「孟母三遷」は有名です。

孟子は「性善説」を説きました。人間には生まれながらにして、そうせずにはいられない道徳心があると言います(仁・義・礼・智の4つの徳)。「不忍人之心(ひとにしのびざるのこころ)」です。具体的には「四端(四つの端緒の意)」で、誰もが持っていると言いました。

     四端
*惻隠(そくいん)=あわれみ
 *羞悪(しゅうお)=はじる
 *恭敬・辞讓(きょうけい・じじょう)=うやまい・ゆずりあい
 *是非(ぜひ)=善悪をわきまえる


孟子のこのような考えは、母親の教えによって培われたと言われます。


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