幼児教育を語るひろば

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こだわるな!

友人のMは、数字の8にこだわります。8は漢数字で「八」と書きますから、末広がりで縁起が良いという訳です。

彼は自宅を建て替えることになり、4月18日に棟上げ式を行いました。やはり8のつく日を選んだのです。それに当日は、建前には吉日と言われる甲子の日
だったので、二重に縁起が良いと喜んでいました。

彼は自家用車のナンバープレートにも8の数字があり、携帯電話の番号にも8が入っていると、いつもご機嫌です。私と会う日も8のつく日を選びます。旅行を計画しても、出発する日は8がつく日にこだわります。

私は「8は、あまり良くない意味の言葉が多いよ。」と、時々茶化します。
八苦・八方破れ・八方美人・八方塞がり・八百長・・・ などと。でも彼は一向に気に
留めません。

「病は気から」と言いますから、何事にもこだわらない方が良いのですが・・・  
要は事を為すのに、些細なことを気にするなと言うことです。
と言いながら、友人Mのこだわりに私の方がこだわっているのでしょうか?

「こだわるな!」の事例をもう一つ。
「櫛を贈るのは、苦と死(9・4)だからいけない。」と、よく言われます。
でも9+4=13で、13(十三)は富に通じるから良いとも言われます。

ひろさちやさん(宗教学者)は、著書「ひろさちやの般若心経88講(新潮社発行)」で、般若心経の教えは「こだわるな!」ということだ、と説かれています。

それは大乗仏教の基本教理が、「空」だからと言うのです。「空」とは、「差別するな!  差別してもその差別にこだわるな!」という意味になります。

般若心経で一番有名な言葉「色即是空」は、「対象世界(私たちの感覚器官が対象とする世界)は、全て空だ。」と言う意味です。

1年365日は、本来どの日も素晴らしい日です。それなのに私たちは、きょうは大安、きょうは仏滅・友引・・・ などと言います。「そんな馬鹿げた差別はするな!」と言うのが、般若心経の教えだとひろさんは言います。
「日々是好日」です。「こだわるな!」です。

でもこだわるまいと思っても、うまく行かない場合があります。「こだわるな!」ということに、かえってこだわってしまうのです。
「こだわるなにこだわらない!」、これこそ般若心経の言う「空」の教えの真意だ
そうですが・・・

著書には、面白い話が紹介されていました。(要約)

有名な良寛さんの庵に、ある日旅人が訪ねてきました。良寛さんは、「よく来なさった。さあ足を洗いなさい。」と言って、水を用意してくれました。旅人は足を洗い、それから夕食を振舞われ、一晩泊めてもらいました。

翌朝目を覚ましたら、鍋に顔を洗う水が用意されていました。旅人はふと気づいて、良寛さんに尋ねました。

「良寛さん、ここにあるのは鍋ではありませんか?」 「ああ、そうだよ。」 「ではこの鍋は、昨晩のお粥を炊かれた鍋ですね・・・?」 「ああ、そうだよ。」 「じゃあこの鍋は、わたしが最初に来たとき、足を洗わせていただいた鍋で・・・?」 「ああ、そうだよ。それより早く顔を洗いなされ。その鍋で、朝のお粥をつくらねばならないのだから・・・」

良寛さんは、「空」が分かっていたから、鍋一つで自由にのびのびと、おおらかに
生きることができていたのです。

「空」の教えの真意が理解できましたか?



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