幼児教育を語るひろば

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子どもの気持ち 2題

現職中の記録から

がまん
R君たち年少組は、遠足で小金井公園へ行きました。広い芝生の広場で思う存分遊んでお腹も空いた頃、お弁当の時間になりました。 お弁当を食べる場所は、木陰にベンチが置かれた休憩所です。そこまで5分ほど歩きます。

休憩所に向かって歩いている時、 R君が泣き出したのに手をつないでいた 
Tさんが気づきました。R君は声を出して泣いているのではなく、歯を食いしばって目に一杯涙を溜めています。

担任の M先生が心配して色々聞いても、 R君は首を横に振るだけです。そして涙を浮かべながら、黙々と歩き続けます。

やがて休憩所に着いてお弁当を食べる時間になりました。すると R君は急に
元気になって、おいしそうにお弁当を食べ始めました。

後から M先生が聞いてみると、 R君は遠足がうれしくて、あまり朝食を食べないで家を出ました。休憩所に向かって歩いているうちに、お腹が空いて悲しくなったのです。でも R君はがまんして頑張りました。それが涙の原因だったのです。

入園前までは、お腹が空けば家では自由に食べることが出来ました。でも入園してからは、お腹が空いても昼食の時間まではがまんすることを学びました。

近頃は、がまんさせることがおろそかになり勝ちです。周りの大人も妙に物分かりが良くて、子どもの欲求を先取りしてがまんさせません。

がまんは耐えることです。集団行動(社会生活)では、特に必要なことです。がまんは自制心を育てます。強い意志を持つ人間に成長するための必要条件です。

R君は、お腹が空いてもがまん出来たので、充足感を味わうことが出来たはずです。


不登園
年長組の  Sさんは、活発で勝ち気な女の子です。運動会を週末に控えた月曜日から、登園しなくなりました。母親が心配しても「行きたく無い!」の一点張りです。

担任の T先生は、園でも一番人気の先生で、 Sさんも大好きな先生です。幼稚園が嫌いになるはずがありません。

T先生が家庭訪問しても、 Sさんは自室に閉じこもって出て来ません。
そこで報告を受けた私の出番となりました。私は母親と連絡を取って、わざと
昼食時に訪ねました。そして食事中の Sさんと会うことが出来ました。

食卓にデザートのリンゴがあったので、リンゴを話の糸口にして Sさんが心を開くのを待ちました。雑談しているうちに Sさんは私への警戒心も解けたようで、不登園の理由を話してくれるようになりました。

目下園では運動会の練習中で、特に遊戯の特訓中です。 T先生は遊戯の手順が飲み込めない Y君や Hさんの指導にかかり切りです。Sさんは T先生と話をしたいと思っても、覚えの速い Sさんに声をかけてくれる余裕がありません。

どうやら Sさんは、T先生に無視されたと思い違いしたようです。特に Hさんは、 Sさんのライバルです。 T先生が Hさんを ひいきしていると思い込んだら、一気に T先生が嫌いになりました。

不登園の理由は、そんなところにあったのです。私は園に帰って、経緯を T先生に報告しました。
「どんなに忙しくても、子どもを見失うようなことがあってはいけないのですね。」と、 T先生も反省しきりでした。


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