幼児教育を語るひろば

幼児教育を語るひろば

続・発達障害を考える

T君は多動で落着きがありません。知的障害も見受けられます。
小学校入学を控え、T君の進学について相談がありました。

お母さんの説明によると、T君は出産時難産だったため大脳に血液が十分に回らなかったので、脳に障害を受けたとのことです。「遺伝的な障害では無い」と言います。

ところが進学相談で、「発達障害だから、特別支援学校へ入学させるように。」と勧められました。最近は障害児の研究が進んで、「発達障害」と宣告される例が多くなりました。

そう言われると親も子どもも「頭が悪いからダメなんだ」と言われたようで、自信を失くしてしまいます。その上、「特別支援学校へ行きなさい!」と言われるのですから追い打ちです。

だからと言って普通校(学級)へ入れるために遅れている分を補強しようと、あれこれやらせると子どもは混乱してより追いつめられることになります。すると情緒が不安定になり、どこかで暴発するか分かりません。逆に心を閉ざして、閉じこもってしまう心配もあります。

また「障害があるから可哀想!」と、何でも過保護になって先回りしてやってあげるのも問題です。子どもの自立を妨げてしまう危険があります。

私はお母さんに、「 T君の障害の程度を正しく理解しなさい。」と言いました。
多動だと集団生活を妨害するので、普通校での生活は難しくなります。また知的障害があると、授業についていけません。

つまり普通校は、発達障害の子を受け入れる環境が整っていないのです。それに学校は、明治以来知識の習得を優先して来ました。知的能力の偏重・管理教育・競争主義・・・ 今の学校の特徴です。

ですから発達障害児が、どんなに素晴らしい能力や可能性を秘めていても、それを見つけて伸ばす努力は払ってくれません。結局はダメな子・出来ない子として扱われるのが落ちです。だからと言って T君のために、学校の環境を変えてもらうのは難しいことです。

普通校は、発達障害児の自由を抑圧しかねません。彼らの教育には、伸び伸びと育てる環境が必要なのです。発達障害児が普通校で不適応な行動を示すのは、彼らが悲鳴をあげている証です。

それでは特別支援学校なら T君に適しているかというと、そうでもありません。特別支援学校は、色々な障害を抱える子が自立出来るように、障害に応じた知識技能を授ける学校です。どんな障害にも対応してくれる訳ではありません。 

ではどうしたら良いのでしょうか?
先ず、従来抱いている学校に対する価値観や学校への期待感を変えましょう! 
教育の場は学校だけではありません。アメリカでは、家庭内教育が認められている州があります。教育の目的は、自立心を育てることです。発達障害児も例外ではありません。

そこで普通校はもちろん、色々な特別支援学校を訪ねて、「 T君の長所を伸ばし、生活力を高めてくれる学校を探しなさい。」と、私は助言しました。

学校を訪問して相談しているうちに、良き学校・良き指導者と巡り会うかも知れません。それは相談に真剣に耳を傾けてくれて、適切な助言を与えてくれる学校です。「フリースクールも対象に考えるように」と言いました。大事なことは、T君の教育に適した環境(学校・施設)を選ぶことです。

発達障害を遺伝の影響と片付けるには、まだ疑問が残ります。
現代社会の(家庭・学校・地域・・・)様々なゆがみから、現代病として出現したようにも思えます。

発達障害児だからと言って、腫れ物に触るような扱いも困ります。勉強も日常生活のあれこれも、思い切って当人に任せましょう!  親子として着かず離れず、一定の距離を保ちながら、根気よくさりげない態度で見守ってあげることが大事です。


コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://freesia7.blog10.fc2.com/tb.php/1452-6a543539