幼児教育を語るひろば

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みんなちがってみんないい? (発達障害を考える)

わたしが両手を ひろげても
 お空はちっとも とべないが
 とべる小鳥は わたしのように
 地面(じべた)をはやくは 走れない
  
 わたしがからだを ゆすっても
 きれいな音は でないけど
 あの鳴るすずは わたしのように
 たくさんのうたは 知らないよ 
 
 すずと小鳥と それからわたし
 みんなちがって みんないい


有名な金子みすずの詩です。
現職時代、年長児にこの詩を読んで聞かせたことがあります。ある子が、「どうして違っていいの?  ぼくたちもお空を飛べた方がいいよ。」と言いました。

なるほど、この詩は平等で無くても良いと言っているのです。平等こそ民主主義の土台です。それを否定するのは如何なものか?  
年長児の気持ちも分かります。

金子みすずが言いたいことは何でしょうか?
それぞれのありのままの存在を認め、尊重しようということなのです。つまり、個性を大事にするということです。

「個性尊重」は、今日の教育を支える重要な柱です。一方で「平等」は、理想的な
社会を構成する上で大切な考え方です。
個性尊重と平等は、相容れないものなのでしょうか?

個性尊重を強調する余り、利己主義・排他主義に走る場合がよくあります。逆に平等主義を錦の御旗に、不当な要求で利益を貪ろうとする風潮もあります。
前者は、個性尊重と言うより我がままの助長です。後者は、民主主義をダメにする悪平等に過ぎません。

何ごとも、ほどほどが大事です。個性を認め伸ばしてあげて、それが世のため人のために役立つ働きをすれば、「みんなちがって みんないい」なのです。

発達障害と言われる子どもたちの行動も、個性として受け止めたらどうでしょうか?

学者は発達障害を色々と定義づけていますが、定説は確立されていません。自閉症スペクトラム(ASD)・学習障害(LD)・注意欠陥,多動性障害(ADHD)・・・ 
など、医学的には脳の発達と関係付けて説明しています。

でも教育では少し違う扱いが必要だと考えます。(私の個人的な思いが強いのですが・・・)
いずれにしても、1個の細胞からスタートした人間です。成長すると体重1Kgあたり約1兆個の細胞数になります。体重が50Kgなら、50兆個の細胞に増えるのです。

ですから発達の途中でいくつかの細胞が、未成熟で育つこともあり得ます。50兆個が、同じように発達する訳がありません。未成熟な細胞が悪さをして、発達障害と言われる症状を表すのも当然です。そう考えれば、障害の無い人などいないということです。子どもの資質は基本的には遺伝しますが、具体的に現れるものにはずいぶん違いがあります。

具体的に現れた資質をじっくり観察すると、その子なりの多様な能力や可能性が育っていることに気づきます。もしハンディキャップがあるなら、それが出来るだけ少なくなるように配慮してあげます。そうしないと、本人の隠れた能力や可能性が見えなくなってしまうからです。

資質に違いがあっても、どんな子にも他人が真似出来ない光が(能力が)あるのです。発達障害と言われる子どもたちも、光を持っています。私たちはその光を輝かせてあげれば良いのです。ただ大人がその光を無視すると、やがて光は消えてしまいます。

発達障害児と言われる子は、なかなか社会生活に適応出来ない場合があります。特に初体験は、極度の不安を抱いて情緒不安定に陥りがちです。それが人間関係の場合は、なおさらです。

解決策としては、少し環境を変えてあげます。でも人間関係は、一朝一夕で変わるものではありません。普段から家族や友人関係に気を配り、信頼関係の積み上げが必要になります。 

発達障害児の多くは、学校の勉強が苦手です。「やる気が無い・努力しない!」と、
決めつけがちです。集団指導の中では、その子の光も見えにくいのです。
人生の勉強と比べれば、学校の勉強はほんの一部に過ぎないのですが・・・

事実発達障害と言われた子どもも、成人したら社会生活にきちんと適応して生活している例は一杯あります。
仕事がていねい・几帳面・まじめ・運動が好き・絵が上手・歌がうまい・・・  そんな話はよく聞きます。ですから焦ることはありません。じっくり時間をかけて、子どもの光が見えるまで待ちましょう。

いつまで待っても見えない時は、専門機関に相談することも出来ます。平成17年4月に、「発達障害支援法」が施行されました。各自治体に、「発達障害支援センター」が設立されています。発達障害者を支援する民間団体も、数多く活躍しています。多くの人の手を借りるのも、大事なことです。

人間はみな平等です。でも一人一人みんな違っていいのです。


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