幼児教育を語るひろば

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忘年の交わり

「忘年会」と「忘年の交わり」は、似て非なるものです。忘年会は、年末に当って1年間の苦労を忘れるために催します。忘年の交わりは、歳の差を超えたお付き合いのことです。

昔中国は漢の時代に、禰衡(でいこう)という20歳の若者と50歳の孔融(こうゆう)という人が、お互いの人徳・才能を認め合って親しく付き合いました。その親密な交友ぶりを、後の人々が「忘年の交わり」と讃えました。「忘年の友」・「忘形の交わり」などとも言います。
年下の者・目下の者と仲良く付き合うのは、なかなか出来ないことです。

S幼稚園のM先生は40代、私と30余歳も離れています。でもお付き合いは、20数年の歳月を数えます。

初めて出会った頃に、私は彼女の教育観(教師の理想像を含めて)を尋ねました。指導力がある・専門的な知識が豊富・責任感がある・使命感が強い・子どもが好き・・・ 私はそんな答えを期待していました。

ところが彼女は、ひと言「情熱」と答えました。私は、なぜかこの答えがとても気に入りました。事実彼女の指導ぶりを見ていると、その答えが嘘で無いことがよくわかります。それは、保育活動のあらゆる場面に現れていました。子どもと接する時はいつも真剣で、体ごとぶつかって行きます。幼児教育への情熱が、ほとばしり出ているのを感じました。「情熱を失ったら、教師は失格です。」とも、彼女は言っていました。

小学校に勤務していた頃は、どうしても専門性や指導力に目が向いてしまいます。M先生と出会って、教師に一番大切なことを教わったような気がしました。以来「情熱」を仲立ちに、忘年の交わりが続いています。

偉人と言われる人たちは、若くしてすでにその才能を花開かせていました。
若いからと言って、その言葉から耳を逸らしてはいけません。

・ショパンの数多くのピアノ曲は、29歳で亡くなるまでに作曲されました。
・ゲーテが、「若きウェルテルの悩み」を発表したのは25歳です。
・アインシュタインは、26歳の時に、「相対性理論」を説いています。
・湯川秀樹博士も、26歳で「中間子論(素粒子論)」を発表しています。
・トヨタ自動車の創業者豊田佐吉が、自動織機を発明したのは27歳です。
・織田信長が、桶狭間の戦いで今川義元を破ったのは26歳の時です。 
・ 等々、数え上げれば切りがありません。

人は、「上に交わりてへつらわず、下に交わりておごらず。」と言います。孔子も「学べば則ち固ならず」と、言っています。年下だろうが目下だろうが、人から学ぶことは自分の役に立つのです。

「河海は細流を選ばず」です。どんな人の教えでも、良いものは受け入れるようにしましょう。それが「忘年の交わり」を支えます。


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