幼児教育を語るひろば

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幼児のための通信教育?

何気なく開いた新聞の一面に「お子様のための ”学習&レッスン”」というタイトルで、幼児・小学生対象の通信教育の広告を見つけました。いわゆる大手学習塾・進学塾など8社の共同広告です。内4社は、年少児(2歳)からを対象にしています。残りは小学生対象です。

タイトルの脇に「子どもはたくさんの可能性を秘めています。子どもの幸せな自立を願い、一番吸収力のある時期に、それぞれに合った学習スタイルを見つけてみませんか?」と、付記されています。

要は、頭の柔らかい時に知識をつめこみましょう。他のことに興味・関心を抱く前に、進学の準備をしましょう。ということではないでしょうか?

費用はどの教科・学習コースを選ぶかで違いますが、入会金を除いて月額数千円はかかります。通信教育のスタイルは、CD・DVD・ワークブック・指導書(教材用の絵本・冊子などを含む)に拠るのが主流です。
子どもが自発的に希望するとは思えませんので、親が関わらなければなりません。それにしても、通信教育が幼児教育へまで進出するとは驚きです。

このブログでも、先日ルソーの言葉を紹介したばかりですが・・・
「大人になるまでは、子どもは子どもであることを、自然は望んでいる。この順序を私たちが転倒させようとすると、熟しきらない・風味も無い・すぐに腐ってしまう果実を作ることになる。(中略)自然は子どもの身体を鍛え、子どもの身体を成長させるために、種々の手段を持っているのである。これに逆らうべきでは無い。」
(11月18日付けの「稽古は強かれ 情識はなかれ」参照)

幼児からの詰め込み教育が、子どもの可能性を伸ばすと思うのは誤りです。
早教育で記憶中心の学習をさせると、一時的には物知りな子になります。でも大事な独創性や創造性は育ちません。

算数・国語・理科・社会、全てのことが出来る子に親は満足します。でも多くの子は、一つの事柄に興味を持つのが普通です。むしろその一つの事柄を徹底的に考えやり抜く方が、その子の成長に役立つのです。

親に指示されれば、幼い子どもはそれに従うでしょう。通信教育も例外ではありません。でも親の監督・助言が無ければ、何をどうしてよいか分からないはずです。放っておけば通信教育の教材が、手つかずのままに残ってしまうのがオチです。

たとえ通信教育のお陰で良い成績が取れたとしても、喜ぶのは早計です。誰でも幼児期は、記憶力が優れているのです。でも大切な生活力が(社会性・社会的な適応力)、身につかないで育つ心配があります。

「一芸に秀でる人は全てに秀でる」と言われます。特に幼児期は、好きなことに没頭させましょう。長い目で見ると、そいう子が結果的に伸びています。

知能の発達には段階があります。J, ピアジェ(スイスの心理学者・1896〜1980年)は、「2〜7歳は、前操作期」と言います。

前操作期とは、「行動が内面化し、何ものかを心に思い浮かべるようになる。
イメージや象徴遊びによって、表現することができるようになる。思考は自己中心的で、論理的操作はできない。」と説いています。
7〜12歳になれば、具体的操作期です。具体物による論理的操作が可能になります。

ピアジェの研究からも、幼児期に通信教材で論理的・抽象的思考を要求するのが無理であることが分かります。どうしてもやらせたいなら、具体的操作期まで待つべきです。

広告のキャッチフレーズは「楽しく学んでぐんぐん伸ばそう」ですが、楽しいとほくそ笑んでるのは学習塾では? と、勘ぐったりしています。
子どもによっては早教育も必要です。でも通信教育は、手段も内容も何か間違っていませんか?



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