幼児教育を語るひろば

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個性を大事に

 私と小鳥と鈴と (金子みすず)

私が両手をひろげても お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のように 地べたを速くは走れない

私がからだをゆすっても きれいな音は出ないけど
あの鳴る鈴は私のように たくさんの唄は知らないよ

鈴と小鳥とそれから私 みんなちがってみんないい


話題の詩人、金子みすずの代表作です。みんなちがってみんないいという、
最後のフレーズに惹かれます。「個性を大事にしよう」ということに他なり
ません。

個性を知る(認める)・個性を大事にする・個性を尊重する・個性を伸ばす・・・ 親・教師をはじめ、子どもの成長・教育に関わる人が、みな口に
する言葉です。私も口にします。(口にしました)

でもよく考えてみると、個性とは何でしょうか? 生まれながらにして備わっている素質・気質・知能・能力・才能・・・ だと言われます。然し何となく抽象的で、具体的でありません。

理解力・思考力・想像力・判断力・記憶力・推理力・創造力・行動力・・・ と言えば、少し具体的でしょうか?
でもまだ学術用語のようで、ピッタリしません。

のんびりしてる・テキパキしてる・落着きがある・落着きが無い・反応が速い・反応が遅い・明るい性格・暗い性格・几帳面・だらしない・活発・不活発・・・ こうなると、個性というより性格でしょうか? もちろん性格は、個性の内でも重要な部分ですが・・・

個性は、人によって捉え方が異なるのではないでしょうか? 個性という言葉の意味は、かなり広義のように思われます。
そうなると、「個性を大事に」とか「個性に合った教育を」と言っても、その方法をどうするかは、人によって異なります。個性を大事にした結果が、単にわがままを助長し、身勝手な人間を育てることになったら大変です。
教育界でも個性尊重と言いがら、個人主義・排他主義・出世主義を煽った事例は数多くあるのです。

個性は遺伝します。遺伝の担い手は遺伝子であって、そのメカニズムを変えるわけには行きません。家系が云々されるのも、そのためです。(科学の進歩は、遺伝のメカニズムも変えようとしていますが・・・)

ここで人間が成長するには、環境の力が大きいことを忘れてはなりません。私たちは遺伝と環境の二つの要因によって、人間として正常に発達して行くのです。言い換えれば、「個性は環境の影響を受ける」と言うことです。

普通環境と言えば、社会的・文化的環境のことです。然しその前に、非常に重要な環境があります。それは母体です。(胎内環境としての母体) 生まれる前の話です。最近も風疹などのウィールス性疾患に罹った母親から生まれた子に、障害の出た例が報道されていました。

実は個性を大事にする・伸ばすなどは、目的では無いのです。個性が、教育の場でどう活用されるかが問題なのです。
家庭・学校・地域社会は、個性を活かす大切な場になっています。
個性を大事にする教育とは、人間形成の手段として、教育活動の中で個性をどう活用しているか? と言うことなのです。

「個性を大事に!」と唱えるだけで終わらせないで、個性は、生きるため・学ぶための手段と考えましょう。個性を大事にすることが、一人一人を大切にすることにつながるのです。

個性には「前向きの個性」と「後ろ向きの個性」があると、日下公人氏は言います。(「個性を持って尊しとす」・日下公人著・新潮文庫)前者は仲間を啓発するような個性で、後者はただ駄々をこねる個性だそうです。思い当たりませんか?


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