幼児教育を語るひろば

幼児教育を語るひろば

発達障害

21日付け朝日新聞朝刊の生活欄に、「発達障害」に関する記事が掲載されていました。そこで、もう30年以上も前の、私の苦い体験談を紹介します。

発達障害は、先天的な脳の機能障害で、それが原因で子どもは問題行動を引き起こします。当時現場では 発達障害という言葉を使っていません。

落ち着きが無く粗暴で学習活動を妨害するような子は、「問題児」・「情緒障害児」・「性格異常児」・「自閉症児」・・・・ などと呼んでいました。

そして、原因は生育環境に起因すると思っていました。親の愛情不足・子どもへの
過剰な期待・自由を束縛・過保護・過干渉・厳しい躾け・・・・ などが、背景にあると
推測しました。

Aは、私が最後に5~6年生を担任した時の児童です。体格の良い子でしたが、落ち着きが無く粗暴でした。授業中にも大声をを発したり級友を叩いたりして、授業を妨害しました。

今なら発達障害児として対応したのですが、当時は家庭環境や親の育て方を疑いました。でも家庭環境も正常で、(4人家族で、父親は会社員・母親は専業主婦・姉は
中学生で特に問題無し。) 原因を把握出来ないまま5年生が過ぎました。

その間私が取った対策は、父親には時間を見つけて積極的に遊んでもらう・母親には叱責や干渉を最小限に止めるよう頼む・学校ではAがエネルギーを発散出来るような場を設ける・級友たちにも一緒に遊ぶように協力を求める・・・・ などでした。でも、あまり効果はありませんでした。

Aの行動が、先天的な脳機能障害によるとは考えていなかったので、正しい理解が
無いままの指導でした。結果的には、Aにとって逆効果の指導だったようです。

6年生になっても、Aの問題行動は治まりません。 ある時女児を突き飛ばして腕を
骨折させたことをきっかけに、精神科の医師に診てもらうことになりました。
幸い医師が児童精神科医だったので、Aの性格や行動の問題点を詳しく聞いてもら
うことが出来ました。

医師は 「子どもが示す身体的症状は、精神的原因で脳の機能と関係がある。環境の影響では無く、先天的に過敏な体質。」と、言われました。つまり、脳の働きに先天的な原因があることを知りました。
その後Aは、高校卒業時まで通院して治療に努めました。

発達障害の知識が無いまま子どもの指導に手をやいている親や教師は、今でも沢山います。育て方では無く、治療にウエートを置いて指導しないと、症状は悪化するばかりです。

現在は、発達障害の相談を受け付ける医療機関や療育(保健)センターなどが増えました。少しでも心配がある場合は、手軽に活用出来ます。

ちなみにAは、高校卒業後宅急便のアルバイトをしていました。一つのことに集中するタイプですから、会社でも認められて、そのまま正社員となりました。今では、配送所の責任者を務めています。

発達障害と診断されても、親はなかなか受け入れられません。発達障害に関する正しい情報を前向きに受け止めて、専門機関や専門医の助言を信頼して治療に当たることが何よりも大事です。


コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://freesia7.blog10.fc2.com/tb.php/1271-d7836589