幼児教育を語るひろば

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ひつじ雲

九月になっても、厳しい暑さが続きます。22日はお彼岸の中日、そろそろ涼しい
秋風が期待出来るのでは? そう思って空を仰ぐと、夏の名残の乱層雲の隙間
に、ひつじ雲が目に留まりました。秋の雲の代表格です。

     空の羊
             西條八十

  ちぎれて消ゆる 雲なれば
  またあふ牧は 知らねども
  こよひも寂し 鈴鳴らし
  空の羊ぞ 群れ過ぐる


ピアジェ(付記参照)は、子どもが雲の動きをどう捉えているか調べました。
 (「子どもの因果関係の認識」・岸田秀訳・明治図書より)

KRUG (6歳半) 「何が雲を動かすのですか?」ー「風と雲があるときです。ええと、
雲は動き出します。いってしまいます。あとからまた戻ってきます。」


PER (7歳半) 「雲は進みますね。 なぜですか?」ー「別の場所へゆくためです。」
ー「どうやって?」ー「ひとりでに」ー「雲は自分のゆきたいところへゆけるのですか?」
「はい」

AUD (9歳9か月) 雲は「ひとりでに」進むのであり、「もし進まないとすると、雨が
降らないから」
進むのである。「でも、雲はどうするのですか? なぜ雲は頭の上に
落ちてこないのですか?」ー「もし雲が落ちてきたら、人間が死ぬからです。」 ー
「でも、どうしてですか? 人間が死んでも死ななくても雲には関係ないでしょう。」
「ああ、そうだ、雲には見えません。雲は感ずる[だけ]です。雲は水のようだから
です。」
  「雲は生きていないでしょう!」ー「いや生きています。雲は移動します。
山にかかっているとき、移動しています。」
 ー「暑いとき、雲は感じますか?」ー
「感じます。雲だって暑いからです。」
ー「雲は自分のゆきたいところへゆけますか?」
「いいえ」ー「なぜ?」ー「もしいったとしても、最後には帰ってくるからです。」
「では、雲は自分のゆきたいところへゆけないのですね?」ー「ゆけます」

ピアジェは、精神的法則と物理的法則とを、子どもは混同していると説きます。
そして、雲の運動に関する子どもの説明は、5段階に区別出来ると言います。

 第1段階 魔術的 (人が歩くから雲が進む。雲は人についてくる。この段階の
             平均年齢は5歳。)
 第2段階 人工論的であると同時にアニミズム的。 (雲が進むのは、人または
                      神が進めるからである。平均年齢は6歳。)
 第3段階 精神的であるが、ときたま物理的。 (運動の理由をはっきり言わない。
                              平均年齢は7歳。)
 第4段階 前段階を説明するようになる。 (雲を押すのは風であるが、この風は
                雲そのものから発生した風である。平均年齢は8歳。)
 第5段階 正しい説明が出来るようになる。 (平均年齢は9歳。)

(付) ピアジェ(1896~1980年)について
  スイスの心理学者。ルソー研究所副所長やジュネーブ大学教授を経て、ユネスコ
 教育部次長を勤める。
  子どもに関する実験的臨床研究を行ったことで知られる。 子どもの自己中心性の
 理論を樹立。世界の心理学者の注目を集め、影響を与える。
  さらに、言語・思考・世界観・道徳性・知覚などの発達について研究を発展させた。
 


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