幼児教育を語るひろば

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再・美しい日本語

文化庁が15日に発表した2010年度の 「国語に関する世論調査」によると、「寒っ」
・「すごっ」・「うるさっ」・・・・ と、語幹のみの形容詞で表現するのが流行っているとの
ことです。しかも多くの人が、あまり抵抗感を抱かずに使っているそうです。

一時話題になった「ら抜き言葉」も、どんどん広がってきています。さらに言葉の意味
や使い方を間違えて使っても、気づかない人が多くなりました。

言葉は、単に情報を伝える手段ではありません。話す人の人間性や価値観も伝わる
のです。特に日本語は、語感の美しさや優しさが、会話を豊かにしています。
何よりも「寒っ」では、日本語のかもし出す情趣がありません。

感情を率直に伝えるために「寒っ」と言うのでしょうが、当人の言語表現能力を私は
疑います。 聞く相手の語感を傷つける場合もあるし、言葉の意味が明確に伝わら
ない場合もあります。


言葉の意味や使い方の間違いについて、調査結果が公表されていました。
1例ずつ紹介します。

[例1]  「雨模様」 どちらの意味か?   
   
   雨が降りそうな様子(正答)            43,3%
   小雨が降ったりやんだりしている様子(誤答)  47,5%

[例2] 「わずかな時間も無駄にしない」  使い方はどちらか?   
   
   寸暇を惜しんで(正答)   28,1%
   寸暇を惜しまず(誤答)   57,2% 


意図的に言葉の意味や使い方を曲げて興味本位に使用すると、言葉遣いは混乱し
ます。そして美しい日本語も、失われます。
言葉の意味を曲げて使うと、言葉の語源や由来まで見失うことになります。
私は、それを心配します。 また言葉の使い方がでたらめになると、文法まで役立た
なくなってしまう心配もあります。


調査から外れますが、最近語源や由来があやしくなってきた言葉や、死語になりつつ
ある言葉が、大変多くなりました。いくつか事例を挙げます。
先ず、語源・由来があやしくなってきた言葉です。

*「新米のくせに生意気だ」
新米は、今年収穫した米です。新しい米ということで、新人を表します。
元は、「新前」と言いました。新しい前掛けのことで、丁稚奉公に入った新人が着けた
ものです。

轡虫(くつわむし)
虫の声が、聞こえる季節になりました。くつわは、手綱を着けるために馬の口に含ま
せる金具のことです。馬が動くとガチャガチャ鳴る音が、くつわむしの鳴き声に似て
いるために、そう名付けられました。

山車(だし)
祭礼の時に、色々な飾り物をつけて引き出す車のことです。屋根が山形をしているの
で、山車と書きました。もちろん当て字です。単に「やま」とも言います。
他にも「だんじり」・「屋台車」などの呼び名があります。

「だんじり」は、「台尻」・「台にじり」が転じた言葉だと言われます。
「台尻」は、台の裾や尻を担いだり引っ張ったりしたからでしょうか?
「台にじり」は、台がにじる、つまりじりじりと動く様子を表しているようです。
神様が鎮座されている台ですから、昔はゆっくり引いて行ったのだと思います。

の他人
閼伽(あか)は、梵語で水のことです。水は冷たいので、冷たい人・冷ややかな人を
表します。それで自分と無関係な人を、こう呼ぶようになりました。

由来の分からなくなった言葉は、国語辞典を開くといっぱい見つかります。
野田首相の首相は 「首席宰相」のことですし、経済は 「経世済民」の略です。

次に、死語を家の中で探してみました。

木戸・納戸・ご不浄・厠(かわや)・寝間・湯船・風呂桶・座敷箒(ざしきぼうき)
・おひつ・柳ごうり・かまど・欄間(らんま)・かもい・ふすま・敷居・家紋・床の間
・床柱・どてら・丹前・・・・

「言葉は生きている」とも言われます。 新しく生まれる言葉もあれば、死語となる
言葉もあります。 家庭内での死語も、その物自体が無くなったり変わったりした
結果ですから、それは自然の成り行きです。
ただその中でも失いたくないのは、美しい言葉の遣り取り、つまり会話です。
話す者はもちろん、聞く者にも心地よく響く美しい言葉を使って欲しいと思います。
美しい日本語を守るために!


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