幼児教育を語るひろば

幼児教育を語るひろば

児童虐待に思う

2010年度中に全国の児童相談所が対応した児童虐待の件数は、5万5千件余に
なると厚労省が公表しました。前年度より、1万件以上も増えたそうです。
同省では、虐待自体も増えてはいるが、地域住民らの関心の高まりで通報が増えたことも、虐待数の増加につながっていると分析しています。

児童虐待については、このブログでも何回か取り上げてきました。虐待する親への
怒りの言葉が多かったように思います。
虐待はどれも許せませんが、中でも親のストレスを虐待で晴らすなど、最も許せない行為です。

09年度中に虐待で亡くなった児童は、49人もいます。信じられない数です。
どうして、虐待事件は起きるのでしょうか?
確かに子どもを育てるということは、大変な仕事です。子どもたちの生育環境も多様ですし、親あるいは子ども自身が、問題を抱えている場合もあります。

虐待事件の背景には、色々な理由があります。その中でも最近母親が子どもと共に過ごす時間が、少なくなってきたことも見逃せません。
仕事がある・趣味や娯楽に時間がいる・離婚して子どもに関わる余裕が無い・子どもが鬱陶しい(嫌い)・・・・ などの理由からです。

子どもと過ごす時間が多ければ、子どもは必ず話しかけてきます。対話が生まれます。すると子どもが、何を考えているかが自然に分かってきます。 乳児の場合でも、
子どもの動作・表情から、それを感じ取ることが出来ます。

虐待する親は「自分の時間が欲しかった」と、よく言い訳します。そうなると、子どもが邪魔になります。 この類の親は、「自分だけが子どもの犠牲になっている」という、
被害者意識が強いのも特徴です。
結婚とは何か? 家族とは何か? そんな問いかけをしたことが無い、自覚が無い、20歳前後の未熟な母親に多いようです。

だからと言って育児放棄やネグレクトが、許されるわけではありません。
親は、わが子のことを一番理解しています。子どもの心と体について、的確にアドバイス出来るのも、親しかいないのです。その親が子どもを見放したら、もう子どもは育って行くことが出来ません。

人間の子どもは、生まれてから1・2年の間、見かけの成長がとても遅いことを、先日も述べました。それには、わけがあります。それは人間の体の仕組みが極めて精巧で、複雑だからです。初期の段階で、念入りにてまひまかけてあげなければ、順調に成長して行かないのです。
実際にはこのてまひまが面倒で、育児を放棄する親が多いのも事実です。 子育て
以外にてまひまのかることが、多くなってきたこともあります。意外と、家族や職場の人間関係が、てまひまのかかる原因になっている場合があります。

虐待する親に共通して言えることは、「人間尊重」の心が育っていないということです。「人間」を「生命」と言い換えてもよいと思います。「人間尊重」の基盤には、「自分の生命を大切にするように、他人の生命を大切にする。」という考えが必要です。
正に、子どもを尊重することが、子育ての基本なのです。

学校の先生は、子どもが嫌いになったり教えるのが面倒になったりしたら、先生を辞めれば済みます。でも、親にはそれが許されません。 親子となった以上、子どもが
自立するまで、子育ては親の責任です。それに子育てとは、子どもの魂に関わるキメ細かい仕事であることも忘れてはなりません。

徳川家康は「人の一生は、重荷を負うて遠き道を行くがごとし、急ぐべからず。」 と、
言いました。「人の一生」を、「子育て」と言い換えてみましょう。急いでは、子育ても
疲れます。

厚労省は、虐待に対する地域住民の関心が高まってきたと言います。それが事実なら、よいことです。 でも、もっと検証してみる必要があると思います。 何しろ家庭は、
プライバシー保護の美辞に隠れて、密室状態になりやすいのです。特に都市部では
この傾向が強く、虐待を許す温床になっています。

地域は、家庭の延長です。子育てで分らないことは、地域の知恵を借りましょう。
初めての子育てなら、分らないことが一杯あるのが普通です。地域には、公私を問わず子育ての知恵があります。ためらわずに応援を求めましょう!
一歩一歩を着実に進めて行くのが、子育てのコツなのです。


 

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • 2011/07/23(土) 03:31:31 |
  • |
  • #
  • [ 編集 ]

コメントありがとうございます。
地域の教育力は向上したように言われますが、現実はまだまだですね。
地域社会での人間関係づくりが下手なのは、日本人の国民性でもあるのでしょうが・・・
子どもたちのために、お節介おばさん・おじさんが、もっと増えるように願っています。
益々お元気で、ご活躍ください。

  • 2011/07/23(土) 09:39:48 |
  • URL |
  • 元園長から #-
  • [ 編集 ]

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://freesia7.blog10.fc2.com/tb.php/1150-36e1fe6b