幼児教育を語るひろば

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一人前になるまで

「天声人語(朝日新聞)」、1975年1月15日の記事から・・・・

なぜ人間だけは、一人前になるのにこうも手間ひまがかかるのか、ヨチヨチ歩きができるまで一年もかかるような動物は人間以外はいないだろう。

20歳で「成人」といわれても、名実ともに備わった大人とは言いにくい。 なかには、
ヒゲをはやした大男が親に付き添われて、就職試験を受けたりしている。

「人間は、どうしてこうも厄介な動物なんでしょう。」と、上野動物園の中川飼育課長に聞いてみた。「そう、まれにみる効率の悪い動物ですな。まる一年たたないと自分では動けないし、自分でエサを取ってくるまでには15年はかかりますね。」エサ、なるほど、さすがに動物を扱う人だけあって人間を見る目に感傷がない。万物の霊長などと、特別扱いはしてくれない。

その話だと、キリンやシマウマは生まれて1~2時間もすれば、時速何十キロメートルで走りだすそうだ。そのかわり妊娠機関は350日もある。弱い動物だから生まれたらすぐに逃げられる力がつくように、お腹の中で育てている。

ライオンやとらの妊娠期間は100日前後しか無い。生まれた時は目も見えず、耳も聞こえない。育てるのに日数がかかるわけだが、親が猛獣だからゆっくり育てても心配はない。

人間の場合はどうだろう。280日(40週+ー14日)もお腹で育てたのに、生まれてからがまた大変だ。まず、一年間は母親が片時も目を離せない。その後十数年間をかけて社会生活に適応するための要領を仕込まれる。それだけの時間をかけなければならないのは社会の仕組みが複雑なせいである。

昔は、10歳から15歳程度で元服したのに、今20歳で「成人式」をやるのは人間社会が一層複雑になってきたことの反映だろう。

「若者は頼りない」という大人の不満は何時の時代にも絶えないが、それは若い人が複雑な社会についていけないのか、それとも社会の複雑さに大人の方が自信を失ったあげくのグチなのかは、議論の分かれるところだ。


一人前になれない成人 
           (最近気になった事例から)

・JRの電車内でシルバーシートに座ったまま、老人に席を譲らない若者がいた。
 (最近は、席を譲る若い人が多いのに・・・)
・信号待ちの乗用車から、タバコを投げ捨てる若い男がいた。
・公園で遊んでいた親子連れが、ジュースの空き缶をベンチに置いたまま帰る。
・日没後も、無灯火の自転車で疾走する若者が多い。
・目上の人などに、敬語を使えない若者がいる。(手紙などの文書でも)



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