幼児教育を語るひろば

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北越雪譜

タイトルは、江戸時代後期(天保年間)に、鈴木牧之が著した書名です。彼は越後
魚沼(新潟県)の人で、魚沼の冬の厳しさや北国の生活の様子を詳述しています。

ところで日本列島は、このところ猛烈な寒波に襲われています。日本海側の各地
から、雪害のニュースが頻繁に届きます。
北陸線では大雪のため列車内に足止めされて一夜を明かした人が、2100人も
いたそうです。北陸自動車道でも、多くの車が雪に埋もれて立ち往生しました。
屋根の雪下ろしなどで、足を滑らせて死傷する事故も頻発しています。 多くの
学校(園)が、休校しています。復旧のめどは、まだ立っていません。

豪雪で有名な北陸地方は、緯度で言えばいま話題のチェニジアがある北アフリカ
地中海沿岸地帯と同じで、亜熱帯に近い気候区のはずです。
それが、ヒマラヤ山脈のお陰で・・・?  北陸地方は、冬も寒気に乗って雨や雪が
降る地形的な事情があります。

昭和13年(1938年)1月1日新潟県十日町で、映画館の屋根が雪の重みで落下
して、死者69人・負傷者92人の大惨事が起きました。
惨事の後に建立された「深雪観音」に掲げられた額には、次のような句が刻まれて
いるそうです。

雪地獄 父祖の地なれば 棲み継げり

太平洋側に住んでいる私たちは、「雪は豊年のしるし」などと傍観視しています。
でも雪国の人たちの苦労は、計り知れないものがあると思います。


宮尾登美子の小説「蔵」は、主人公 の誕生から始まります。

雪国新潟の吹雪のおそろしさは、出遭った者でないと判らないが、単に雪が真横に
降る、というだけの生やさしいものではなく、突然天候の変化とともにどこからともなく
襲ってくる暴風は山なす積雪を天空高く巻き上げ、激しく地に叩きつけては荒れ狂う。
このさまを、巨大な白竜のたうつ姿、というのもあれば、 或いは雪の怨霊の咆哮に
たとえるのもあり、もしこのときうすい装備のままで道行く人があれば、たちまち命を
とられるのは必定という。
雨戸を鳴らすその強風烈風の音を聞いている意造のもとへ、産屋のほうから廊下を
小走りに駈けてくる足音がして障子の外から、
「旦那さま、女子のややさんでございます。げんきに泣いていなさいます。」
とややうわずったばあやの声が聞こえたとき、意造は体中をかけめぐる熱い喜びの
思いとともに、とっさに、そうら、子の名は烈、とつけようとひらめいたという。
烈しい吹雪とともにこの世に生をうけた女の子、どうぞ名前負けしねよう、この先どん
げな困難とも戦い、長長しあわせに生きてくんなせ、と祈るような気持で意造は墨を
すり、奉書をのべてその字を力強く、大きく書いた。


雪もほどほどに、日本海側の天候が、1日も早く回復するように念じています。


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