幼児教育を語るひろば

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タイガーマザー

中国系アメリカ人の母親が書いた「タイガーマザーの賛歌」という本が、アメリカで
話題になっているそうです。

中国人が子どもにかける期待度は、日本の教育ママなど足元にも及びません。
成績は一番・テレビやゲームは厳禁・クラブ活動も友だちとの遊びもダメ・勉強以外はピアノやバイオリンなどの稽古ごとだけ・稽古ごとで躓いたらトイレにも行かせない・・・・ のだそうです。

「子どもの可能性を信じ、自主性を尊重して見守ることが大事!」と言う私の持論など、一笑に付されてしまいそうです。

確かに最近の中国の子どもたちは、国際的な各種の学芸コンクールで優秀な成績を取っています。タイガーマザーのおかげでしょうか?

私にはタイガーマザーの特訓教育は、大きなリスクを伴うような気がしてなりません。
それは、「子どもの成長には順序があって、それぞれの発達段階には一定の時間が必要。」という前提条件があるからです。発達段階に応じた、個々への手立てが必要なのです。十分に時間をかけて学習しないと、外形的には成長したように見えても、
ものの見方や考え方、それに何よりも心の優しさは育っていません。

幼児期の子どもは、砂が水を吸収するように、教えれば何でも覚えます。物事の順序や領域が多少違っても、どんどん理解するように感じます。でも、そこが問題なのです。人間の成長は、幼児期や少年期だけで終わるのではありません。
青年期・壮年期・老年期と、まだまだ一生涯続くのです。

特訓された子は、確かに成長の様子が他の子より速く、優れて見える場合があります。少年期・青年期では、特にその差が目立ちます。しかし長い目で見ると、その差は消えてしまうのが普通です。

幼児に「ミカン1つと2つをたすと3つになる」という計算を、「1+2=3」という抽象的な記号に置き換えて覚えさせることは簡単です。
ただこの1・2・3・・・ という数字が、ミカンだけで無く自動車でも人でも、数という属性を数字という記号に置き換えて表すことが出来るのだと理解するには、もっと具体的な事象で経験を深めなければ身には着きません。
つまり「1+2=3」だけを覚えさせても、抽象化する力は育たないのです。

それに特訓された子が、有名校に合格し、一流会社に就職したとしても、人間として成長したかどうかは疑問です。「勉強は出来ても社会性は育っていない」という大人が、結構います。「人事は棺を蓋いて定まる」、と言います。人間の真価は、あの世へ旅立つ時に決まるのです。

現実では、タイガーマザーに育てられた中国の子どもたちも、大学を卒業してから
就職出来ない場合が、日本よりずうっと多いと聞きます。


ところで新聞広告で、「IQ200天才児は母親しだい!」という本の宣伝を見ました。「すでに120万部突破、胎児・幼児期こそ適期教育」と、謳っています。
これは、日本の話です。タイガーマザーだけを批判出来ません。

子どもにかける親の期待が大きいのは、古今東西変わりありません。タイガーマザーや教育ママを、否定するわけではありませんが・・・  ただ子どもの成長に良かれと
思っても、逆の結果を生むことがあるのを知りましょう。


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