幼児教育を語るひろば

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人の絆が人を育てる

昨日教え子のY,Tに連れられて、映画「月あかりの下で ーある定時制高校の記憶ー」 (グループ現代製作)を、ポレポレ東中野映画館で観てきました。

Y,Tは定期的に私のボケ防止のため、展覧会・音楽会・映画会・・・ などへ誘ってくれます。 感謝! 
今回は 「先生も教職に就いていたのだから、きっと感じることがありますよ。」 と、
言われました。そういう彼女も最近まで高校の教師をしていたので、彼女の期待も
大きかったのではないでしょうか?

JR東中野の駅で落ち合い、昼食を摂ったりコーヒーを飲んだりしながら、1時半の上映時間まで時間をつぶしました。正直言って、私は定時制高校の実態を知りません。
どんな教育が行われているのか? 関心がありました。


映画の舞台は、埼玉県立浦和商業高校定時制の、あるクラスです。 2002年4月
入学から2006年3月卒業まで、4年間のドキュメンタリーでした。

映画が始まって、先ず入学式の様子にビックリしました。呼名されても返事をしない生徒・化粧の濃い茶髪・金髪の生徒・入学式には添わない服装の生徒・だらしない姿勢で椅子にもたれる生徒・・・ 新宿や渋谷で遊びまわっていた非行予備軍が、そのまま入学式に参列しているという感じでした。

彼らの殆どは、小中学校時代に不登校を経験しています。せっかく入学した高校を、中退した子もいます。このブログでも取り上げた、崩壊家庭の子もいます。 色々な
事情で、家庭・学校・社会から嫌われ、居場所が無くなり、心が荒んでしまった生徒
たちです。そして学校に魅力が無くなり、学校に背を向けた生徒たちです。

それがどうして? 定時制高校に戻って来たのでしょうか?
映画の進行と共に、その謎が少しずつ解けてきました。

元々生徒たちは、学校へ行きたい・友だちをつくりたい・勉強したい・・・ という気持ちを持っていたのです。それなのに、学校へ行けない様々な問題を、それぞれの生徒が抱え込んでしまったのです。でも浦商定時制高校の先生方は、生徒たちの置かれた状況に応じながら、それらの問題の解決と同時進行で指導に当たっていました。

何人かの生徒たちは、いつも非行に最も近い環境で生活しています。それでも彼らは、この定時制クラスにやってきます。職員室や保健室が、彼らの居場所です。
勉強こそしませんが、そこで自分を出して先生たちに甘えます。先生方も辛抱強く、
それを見守ってくれます。

友だち関係がうまく行かなくなって、S子は保健室で荒れていました。保健の先生は、彼女の言い分をじっくり聞いてあげてから、それとなく人と共に自分があることを諭していました。そして相手の存在を認めることができる、S子の優しさ・思いやりの心を褒めていました。

担任の平野先生は、生徒たちの心を育てようと努めていました。先生の言動からは、居場所が安定すれば学校生活も落ち着いて営めるようになる、という信念が感じられます。口で叱り口で励ましても、頑張る生徒たちではありません。私には平野先生が、盲目のマラソンランナーに付き添う伴走者のように見えました。

生徒たちが進級問題でくじけそうになった時、最後までやり抜くようにと、わが事のように励ましてくれる先生。個々バラバラに孤立し孤独な生徒たちに、意欲的に生きる
ようにと訴える先生。
それは生徒たちの心を捉え、彼らの心を動かさないはずがありません。

学校嫌いを無くすには、学校と家庭の連携が必要と、私は主張してきました。
定時制高校という事情にもよりますが、この映画では家庭と学校の関わりは殆どありません。(一場面だけ、保護者会の様子が紹介されていました。) それよりは、利己主義で無い自主性をどう育てるかが、先生方の大きな課題になっていました。

2002年4月入学の頃は、自分のことだけ考えて行動していた生徒たちが、2006年3月の卒業時には、他人を思いやり協力し合うようになっていました。そして他人にとって、自分が必要な存在であることにも、気づいていました。


会場でもらったちらしに、こんな一文があります。
 人との絆が、人を育てる。
 いまを悩み、懸命に生きるすべての人へ、この作品を捧げます。

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