幼児教育を語るひろば

幼児教育を語るひろば

母子分離不安

大学生の就活を、母親がどうサポートするか? そんな講習会が開かれて人気が
あると、テレビで報じていました。本当でしょうか・・・・?

そう言えば、大学の入学試験にも母親が付いて来る話を聞きます。新婚旅行にも、
母親が付いて来るとか? つくり話でしょうが、笑えない冗談です。

いま親離れ・子離れできない母子関係が話題になるのは、何故でしょう?  
昔から親離れ・子離れできないのは、多くは母親に原因があると言われます。
「母原病」、と言う言葉まであります。

母親(妻)は、父親(夫)の協力が無いと、育児も家事も一人でこなさなければなりません。舅や姑と同居している場合は、子育て以上に気を遣います。そうでなくても、
子どもが幼稚園から小学校へ通う頃は、父親は会社で重要な仕事を任され多忙な
働き蜂ですから、家庭は二の次です。妻のことも、かまってはいられません。

ですから母親は、日常生活の中で色々とストレスが溜まります。そして欲求不満が、募ります。その結果、自分の持っている全エネルギーを子どもに注いで、ストレスを
解消するようになります。子どもだけが生きがいになってしまう、過保護の典型です。


園長時代、私は登園する子どもたちを、門の前で迎えるのが日課でした。

母親と手をつないで登園してくるA君は、私が「おはよう!」と声をかけると、くるりと
背を向けて母親にしがみついて、しばらくぐずります。母親はそのA君を抱きしめて、
何かA君に声をかけています。母親の表情はいつも不安げで、笑顔がありません。

それからA君は、小走りで園内に入って行きます。A君が保育室に入ったのを見届
けると、母親は私に会釈をして帰って行きます。

私はA君母子が気になったので、何回か担任に様子を尋ねてみました。「何ら他の
子と変わった様子は見られない」と、担任からはいつも同じ返事が返ってきました。
A君母子の分離不安は、母子共々にしがみつき合っているのでしょうか? 
それとも、どちらかが離れられないのでしょうか? 疑問になりました。

A君の家は新築のマンションで、A君と両親の3人暮らしです。A君の話では、「お父さんは会社が忙しくて帰りが遅いから、遊んでもらえない。いつもお母さんと遊ぶ。」 と
いうことです。そうすると、母親の方が子離れできないで、A君が生きがいになっているのでは? と心配になりました。

ある時私は、母親に声をかけて、園長室で話しを聞きました。話し合っているうちに、母親の本音が出てきました。「子どもを、一人にするのが心配。子どもと、離れたくない。」と、母親はそう言うのです。母子分離不安の原因は、母親側にありました。
それが、過保護状態をつくり出しているようです。

子離れするために、私は次のようなことを母親へ助言しました。

「A君は自立心が芽生える年齢だから、その判断や行動を認めること。そしてA君のやることは、見守るだけで手出し・口出しをしないこと。それよりお母さん自身が、自分のやりたいことや趣味に専念すること。」と。

1ヶ月ほど様子を見ているうちに、A君はぐずらないで、さっさっと園内に駆け込むようになりました。助言が効いたようで、少しホッとしました。


コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://freesia7.blog10.fc2.com/tb.php/1027-8f1b39c9