幼児教育を語るひろば

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続 孟母三遷の教え

昨年6月24日付ブログ、「孟母三遷の教え」の続編です。

教え子 S の娘一家が、西東京市から中央区築地の高級マンションへ転居してから1年余が経過しました。昨日 S が、その事後報告に訪れました。

転居の経緯を、簡単に振り返ってみます。

S の娘夫婦は、将来子供を(孫を)夫の出身校である東大に入れたいと考えている。西東京市の学校は、受験教育に力を入れていないし、生活環境も受験向きで無い。そこで子供を受験環境に適した学校に入学させ、東大目指して勉強させたい。そのためには、都心へ転居するのが良いと考えた。


そして娘一家は、隅田川沿いのリバーサイドマンション19階に転居しました。部屋からの眺望は最高で、晴れた日は富士山やベイブリッジまで一望出来ます。夜になると、ライトアップされた勝鬨橋や聖路加ガーデンの夜景が素敵です。(大人が感激する風景です)

でも子供にとっては留置場のような環境です。窓は自由に開閉出来ません。家の出入りには暗証番号付きのキーが必要です。


孫は、今年の1月から中央区立の小学校に入学しました。でも教え子に(祖母に)、「学校はつまらない!」と言っているとのことです。

理由を尋ねると、「友達がいない」・「遊ぶ時間が無い」・「遊び場も無い」 と言うそうです。学校がつまらないというより、学校へ通うレディネスが整っていないようです。


マンション脇の川端には、小ぎれいな公園があります。然し子供だけで遊ぶわけには参りません。マンションには多くの人が住んでいます。でも顔を合わせることは、ほとんどありません。だから友達も出来ません。

西東京市では、近所に自然豊かな公園や遊び場がありました。同年代の子供も沢山いました。好きな時に、好きなだけ遊びまわることが出来ました。

さらに悪いことは、孫は週2日 英語とバイオリンの稽古に、強制的に通わされています。稽古の無い日は、母親が先生役で毎日2〜3時間、国語や算数のワークシートで勉強です。土・日になると、先生役は父親に交代します。

子供は、1週間遊ぶ時間がありません。息を抜く暇も無いので、ストレスが溜まります。「学校がつまらない」、その遠因にもなっています。本当は、遊びこそ幼児期における大切な勉強なのですが・・・ 

子供が育つベスト環境を、もう一度考えてみましょう。高級マンションと言えども、子供が育つ環境とは縁遠いような気がします。

親は(両親共に)もっと子供と遊ぶ時間を作って、一緒に遊びを楽しむことが大事です。 そして色々なことを体験して、ビックリしたり感激したり、共感し合うことが必要なのです。繰り返しますが、幼児期に大切なのは、遊びとスキンシップです。

もう一つ大切なのは、自然環境です。人間は、自然と触れ合いながら、そして共存しながら成長します。

泥んこ遊び・水遊び・かけっこ・探検ごっこ・鬼ごっこ・相撲・じゃれ合い・喧嘩・動植物との触れ合い・・・  どれも子供にとって必要な遊びですが、全て自然があって成り立ちます。マンション生活では得られない活動です。


『人間はどう生きるか、どのようにふるまい、どんな気持ちで日々を送ればよいか、本当に知っていなくてはならないことを、わたしは全部残らず幼稚園で教わった。人生の知恵は、大学院という山のテッペンにあるのではなく、幼稚園の砂場に埋まっていたのである。』 
( ロバート・フルガム・米国人・哲学者・1937年生 )

マンション生活の中に、幼稚園の砂場に当たる環境を工夫してあげましょう!