幼児教育を語るひろば

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孟母三遷の教え

  月月に 月見る月は 多けれど
    月見る月は  この月の月


中秋の名月
昨夜は十五夜でしたが、外へ出て月を探した時は、雲に邪魔されてはっきりと見ることが出来ませんでした。今夜は十六夜の月ですが、実際は地球と月の距離が一番近くなり 「スーパームーン」と呼ばれる今年最大の満月になるそうです。今夜の月は、見逃すわけには行きません。 


孟母三遷の教え
お寺の近くで育った孟子は、お葬式ごっこばかりして遊んでいました。心配した母親は、市場のそばへ引っ越しました。すると孟子は、お店屋ごっこでお金勘定ばかりしていました。そこで母親は考えて、今度は学校の近くへ引っ越しました。お陰で孟子は学校ごっこで遊ぶようになり、学問に興味を抱くようになりました。

これが有名な「孟母三遷の教え」です。環境を変えれば、人は誰でもこのように変わるのでしょうか? 

孟子は後に「性善説」を説いたくらいの人ですから、素直で環境に感化され易かったのだと思います。もし「人の性は悪なり、その善なるものは偽なり。」と、「性悪説」の荀子だったらどうだったでしょうか?  多分環境が変わったくらいで、そう簡単には感化されなかったと思います。

確かに人間が育つには、環境が大事です。でもただ環境に頼っているだけでは、健やかな成長は望めません。本人の潜在的能力(素質・性格・健康など)も関係がありますし、運・不運(巡り合わせや成り行き)も影響します。

生物界では、環境淘汰という言葉があります。与えられた環境に適するものが生き残り、適しないものが滅びるということです。

では環境に適応するには、どうすればよいでしょうか?

そのためには環境を活かすことです。幼稚園では、「環境構成」という言葉を用います。要は、環境を選ぶ・変える・造ることです。

「玉磨かざれば光無し」です。「果報は寝て待て」ではダメです。環境を活かすには、自ら環境に働きかける力が必要です。そして、環境を自分に合うように変えて行くのです。それに、堂に上っても室に入らなければ奥義は極められませんから・・・

家庭環境で大切なのは、次のようなものだと思います。

 *立地条件(自然環境・地域性)
 *家族の人間関係(家風・夫婦関係・親子関係など)
 *世帯主の職業・立場(ものの見方考え方を含めて)
 *家計(一家の暮らし向き・経済力)
 *健康・安全(生活習慣・雰囲気)
 *家庭行事(伝統的な行事・結婚記念日や誕生日など)


共働きは良く無い家庭環境か?  (校長時代に受けた相談から)

母親のAさんは、看護師の経験があります(父親は会社員)。息子が5年生になり手がかからなくなったのを機に、病院に再就職しました。ところが半年も過ぎた頃から、息子の様子が気になるようになりました。

 *小金を持ち出す。
 *学校でよく喧嘩をするようになる。
 *女子をからかったり、足払いをかけたりする。
 *友だちを家に呼んでご馳走する。
 *衣服の汚れや破損が目立つ。

相談は、「子育てに共働きは良く無いのか?」ということでした。

「環境が変わって寂しいだろうと思い、残業しないで早く帰るようにしている。」・「出来るだけ息子の相手をするように努めているが、疲れているのでつい口うるさくなってしまう。」・「共働きだからと言われないために頑張るので、余計息子に厳しくなる。」・「でも注意しても、息子は聞く耳を持た無いし謝ることもない。」と、母親自身が状況を分析しながら反省していました。

共働きだから、家庭環境が良く無いのではありません。5年生になれば、手がかからなくなるのは事実です。反面感受性も育って、家族が側で見守ってくれないのを寂しいと感じる年齢にもなっています。

お母さんが家のために働いてくれているのは、本人も分かっています。でも自分に目を向けて欲しいという気持ちも強いのです。それが、気になる行動として現れているのだと考えましょう。

疲れてイライラするのは分かりますが、息子はお母さんの笑顔や優しい言葉を求めているのです。仕事を続けるなら、疲れを我慢して、息子さんと接してあげて下さい。心のスキンシップは、いくつになっても必要なのです。


こんなことを助言したように覚えています。