幼児教育を語るひろば

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態度 (心の動き)

[態度]を辞書で調べると、「心の動きが表情・動き・言葉などに表れたもの」とあります。

生活態度・授業中の態度・堂々たる態度・態度が悪い・柔軟な態度・反抗的な態度・態度に表れる・・・ などのように使われています。類義語に[姿勢]がありますが、それよりは具体的です。

私たち大人が子どもと接する時、彼らは相手が自分の敵か味方かを、本能的に見分ける力を持っています。それは外形で分かるわけでは無く、相手の態度(心の動き)を直感で判断しているのです。

新学期になって子どもたちは、新しい担任と出会います。すると必ず「今度の先生は良い」・「そうでない」と、即座に判定を下します。先生が醸し出す態度を、
子どもたちは感じ取ってしまうのです。ですから油断できません。

自分の話を子どもたちに聞いてもらいたいなら、話す態度を考えなければなりません。話す態度に真剣さが伴わなければ、子どもたちによく聞けと要求しても効き目はありません。

とは言っても、態度は一朝一夕にして備わるものではありません。何故なら、心の動きが態度に表れるのですから・・・  心が育っていなければ、態度もいい加減ですし、真剣さも期待出来ません。心は、言葉だけでは伝えられないのです。

話題を確実に伝えたい時や強調したい時は、ゼスチャーを伴う時があります。
これも態度の表れです。でも見せかけの大げさなゼスチャーは、すぐに子どもたちに見破られてしまいます。

態度は自己表現の一部ですし、伝達手段でもあります。人間関係づくりには、なくてはならないものです。態度は、表情・身振り手振り・会話・・・ のように外に表れますが、それだけではありません。沈黙していても分かります。

国民性とも言われますが、日本人固有の態度もあります。日本人は海外旅行などで一人で行動せずに、群れて行動するとよく言われます。

同じ規範・価値観でまとまっていると言えば聞こえは良いのですが、異なる規範や価値観を排斥するような態度では困ります。

確かに同じ考えの仲間同士で一緒になっているのは、居心地も良いし安心です。でも仲間でなければ認めないというのでは、いじめに発展する危険もあります。

多様な価値観の中で共存共栄することが、グローバル化の柱です。異なる考えや価値観も尊重する態度が、いま一番求められているのです。