幼児教育を語るひろば

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児童中心主義

20世紀に入ると 「児童から(Von Kinde aus)」を合い言葉に、児童中心主義
の教育が幕開けしました。子どもの自由を尊重し、「子どもの活動そのものが
教育である」 という考え方が基本です。
きょうはその代表として、二人の教育学者を紹介します。

1人めは、 ジョン・デューイ (John Dewey 1859~1952年)です。
彼は1899年に発表した 「School and Society 学校と社会」 の中で、
こう述べています。(要旨)

過去の学校は、教え授ける場である。子どもは受身で、創造的な活動は無い。
生活する場でも無い。子どもを束縛し、暗い教室に閉じ込めてはいけない。
子どもは、他人の顔色を見て行動するだけになってしまう。

コペルニクスによって天体の中心が地球から太陽へと移行したように、「子どもは
その周囲を教育という営みが回転する中心となる」 のである。

したがって子どもの ”衝動”は、できるだけ尊重され、伸長されなければならない。

デューイは、子どもの衝動を4種類に分けています。「これらは子どもの自然的資源
だから、子どもの能動的成長のために、これを活用しなければならない。」 と、
説いています。 

1、社会的本能・・・談話あるいは交際への興味。
2、製作本能,構成的衝動・・・探究ないし発見の興味。
3、発見的衝動・・・製作ないし構成への興味。
4、表現的衝動・・・芸術的表現への興味。


2人めは、エレン・ケイ(Ellen Key 1849~1926年)です。彼女は教育学者という
より、婦人思想家で通っています。名門家庭の出身ですが、自由な雰囲気の家庭
で学び育ちました。子どもの自発性を自由に助長する児童教育のあり方や、婦人の
境遇を向上させるために、女性の使命や母性実現について訴えました。

次の著書が有名です。(いずれも邦訳有り)
 *児童の世紀
 *恋愛と結婚
 *婦人運動


彼女は、こう説いています。

教育について
「私の夢の中の学校では、そこに成績簿が無く、賞与が無く、また試験が無いであろ
う。 ただ卒業の場合だけ試験があるであろうが、しかし、それは口頭だけのものに
過ぎないだろう。細目に亙る知識の試験ではなくて、全体としての教養如何が判定
されるであろう。」

男女関係について
「恋愛と結婚を一致させる。そして、愛情ある夫婦生活の中で子どもを生む。男女は
平等だが、女に男と同じ仕事をやれとは言わない。それぞれが特性を生かし、職業
は違ってよい。」