幼児教育を語るひろば

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わかってやる知恵

東井義雄氏(元小学校長・兵庫県、「東井義雄著作集」・明治図書)は、子どもを伸ばす条件の中でも、「わかってやる知恵」が大切であることを説かれています。

「愛情」というものは、子どもにとってなくてはならないものですが、この「愛情」のおかげでそこなわれている子ども、成長を阻まれたり、伸び方を歪んだものにしられたりしている子どもが、ずいぶんあります。
「愛情」をして、ほんとうの「愛情」たらしめるもの、それは「わかってやる知恵」ではないかと思います。


確かに親は、せっかくかけた「愛情」に対して子どもが応えてくれないと、「これだけ思ってやっているのに」と、それが怒りや憎しみに変わって、子どもの心を傷つけてしまう場合があります。

「愛情は、わかってやる知恵と結びつかなければ危険だ。」と、東井氏も言います。

でも、「わかってやる」ということは、難しいことです。
子どもの表情や態度など目に見えるものはまだしも、心の中で何を考えているかは、なかなかわかりません。
どうかすると、子どもは考えていることと表面に表れていることが、逆な場合もあるのです。

子どもが失敗すると、親は(先生も)「どうしてお前は、ダメなんだ!」と、叱りつけます。子どもの言い分も聞かずに、ガミガミ小言を言います。子どもの気持ちをわかってやる知恵が、少しもはたらいていないのです。

「わかってやることは、子どものねうちの発見でもある。」と、東井氏は言われます。

子どもの「ねうち」は、テストの点で決まるものではありません。
発達段階に応じて、その子の自立性(自律性も)や社会性が、どう育っているかで
判断するものです。
それがわからなければ、子どもを育てる資格はありません。

子どもの立場で考えると、わかってもらえない辛さ・苦しさがあります。反対にわかってもらえた時の嬉しさは、何事にも前向きに取り組める力となります。
前者は子どもをダメにし、後者は子どもを立派に育てることにつながります。