幼児教育を語るひろば

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武蔵野の秋

昨日の東京は11月の気温とか・・・ 一気に晩秋の訪れです。
私の住まいは、練馬区と言っても武蔵野市と西東京市の境です。生活圏は、殆どが武蔵野市です。

国木田独歩の「武蔵野」には、明治29年(1899年)秋から冬までの武蔵野の風景が描かれています。当時 独歩は渋谷村(渋谷区)に住んでいて、その時の日記が「武蔵野」に転載されています。
私が住むこの辺りも、「武蔵野」の舞台だったと思います。そういえば45年前わが家を建築する時、地目は山林でした。

「武蔵野」から
九月七日-「昨日も今日も南風強く吹き雲を送りつ雲を払ひつ、雨降りみ降らずみ、日光雲間をもるるとき林影一時に煌めく、-」
これが今の武蔵野の秋の初である。林はまだ夏の緑のそのままでありながら空模様が夏と全く変ってきて雨雲の南風につれて武蔵野の空低く頻りに雨を送るその晴れ間には日の光水気を帯びて彼方の林に落ち此方の杜にかがやく。(中略) 二日置て九日の日記にも「風強く秋風野にみつ、浮雲変幻たり」とある。ちょうどこの頃はこんな天気が続て、大空と野との景色が間断なく変化して日の光は夏らしく雲の色風の音は秋らしく極めて趣味深く時分は感じた。

九月十九日-「朝、空曇り風死す、冷霧寒露、虫声しげし、天地の心なほ目さめぬが如し。」
同二十一日-「秋天拭うが如し、木葉火の如くかがやく。」

十月十九日-「月明かに林影黒し。」
同二十五日-「朝は霧深く、午後は晴る、夜に入りて雲の絶間の月さゆ、朝まだき
霧の晴れぬ間に家を出で野を歩み林を訪ふ。」 (後略)

十一月四日-「天高く気澄む、夕暮れに独り風吹く野に立てば、天外の富士近く、
国境をめぐる連山地平線上に黒し。星光一点、暮色漸く到り、林影漸く遠し。」
同十八日-「月を踏で散歩す、青煙地を這ひ月光林に砕く。」
 (以下略)


独歩は、武蔵野の秋を「武蔵野の美というより、詩趣と言いたい。」と言っています。
秋の1日 本書を道案内に、武蔵野の秋を訪ねてみようと思います。当時と、どの
くらい変ってしまったでしょうか?