幼児教育を語るひろば

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再び虐待について

厚労省の発表によると昨年度の児童虐待は、44210件で過去最高に達したとのことです。全国の児童相談所が扱った数ですから、実数はもっと多いのではないでしょうか? 虐待死させる事件も後を絶ちませんが、08年度は107件108人に及んだとのことです。

加害者である親は、「しつけのためにやった」とうそぶきます。虐待しながら「しつけのため」など、とんでもありません。

しつけは、ひと言で言えば「良いこと悪いことが判断できるように教える」ことです。人間性を育てるための育児の基本で、虐待とは無縁の人間的な行為です。恐い顔で叱り飛ばしたり、暴力を振るって脅したりするのは、恐喝・脅迫以外の何ものでもありません。
しつけで大事なことは、子ども自身がどう判断するかを優しく見守り、正しい判断ができたら笑顔で褒める姿勢です。

虐待の原因は、母親の場合は育児不安・父親の場合は攻撃性が、背景にある問題だと報じています。

子どもが、虐待を受けているかどうか? 怪我だけで見分けるのは、難しいようです。いま医師や学者が中心になって、虐待による怪我かどうかを見分ける方法を、科学的に検討しているそうです。

私は普段から児童相談所や学校が、疑わしい親(家庭)に注意を払って欲しいと思っています。虐待する親には、共通する兆候が見られるからです。特に次のような親には、注意しましょう

*親子に、情緒的な交流が無い。
 親子が一緒に遊んでいる姿を、見たことが無い。
 (本を読んだり歌を歌ったり、自然の美しさに共感し合ったりすることが無い。)

*自分の子どもを、よく見ていない。子どもの生活実態が、分からない。
 子どもの身体・精神状況を、把握していない。どんな友だちとどんな遊びをしている
 か、知ろうともしない。
 (子どもの行動に無関心。)

*公共の場で、子どもが迷惑行為をしていても注意しない。
 子どもを放任、そのくせ他人から注意されると逆切れする。

*子育てが面倒、楽しく無い。子どもが嫌い。
 しつけも、動物の調教と変わらない。子どもが抱えるストレスにも、気づかない。

*家庭を省みない。自分の欲求だけを追う。
 育児を放棄して遊び歩く、快楽が優先。

*知的能力さえ高めれば、良い子になると思っている。
 子どものを成績で差別する。遊びを許さない。競争に勝つことだけを要求する。


ところで虐待する親の背景には、親自身の親子関係に因るという説があります。つまり自分の親子関係の、代償行為だと言われます。
いずれにしても、子どもは親の気持ちを敏感に読み取ります。それが子どもの心に深く刻み込まれることを、忘れないようにしましょう。


 (2010,8.1 追記) 事件を悼んで

7月30日 大阪のマンションで、2幼児の放置遺体が見つかりました。翌日風俗店
従業員で23歳の母親が、死体遺棄の疑いで逮捕されました。
この母親は、育児が厭になり、約1ヶ月前に子どもたちを放置してマンションを出たと言います。この猛暑の中、食べ物も与えられず、子どもたちは必死に助けを求めていたはずです。それを思うと、胸が痛みます。

今回は近隣の住民が、子どもの泣き声や異臭に気づいて、児童相談所にも連絡していました。それなのに、幼い命を救うことが出来ませんでした。残念です!
行政が、虐待を防ぐ・あるいは虐待から保護する活動は、まだまだ簡単ではないようです。でも加害者である親に、それを期待するのはもっと難しいのが現状です。とにかく、無抵抗の幼い命が懸かっている問題です。行政や関係機関の、もう1歩踏み込んだ対応を求めます。

この1週間も、虐待事件が続きました。虐待の「非常事態宣言」が必要です。

7月24日は、神奈川県で1歳2ヶ月の女児が木箱に監禁され窒息死した事件で、
母親と同居の男性が逮捕されました。

  同   、神奈川県で小5男児が父親と同居の女性から全身を殴打され・食事を
与えられず、逃げ出して保護されました。

7月27日は、兵庫県で小4男児が両親から暴行を受けて、重体になっています。

7月29日は、大阪府で中3の男子生徒が背中にオイルをかけて火をつけられ火傷
しました。この事件で42歳の父親が逮捕され、虐待の様子が報道されました。