幼児教育を語るひろば

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読書三昧 (3)

東京は、このところ寒い日が続きます。みぞれが降ったり小雪がちらついたり、
今朝は一面銀世界で、積雪2~3cmでしょうか? 
(こんな程度で銀世界だの積雪だのと言っていたら、雪国の人に笑われるで
しょうが, 何しろ防寒対策の智恵がない東京人のことですから・・・・)


愛すること
「子どもの心のコーチング」の著者は、子どもに教えたい3つの力として、
1、愛すること 2、責任 3、人の役に立つ喜び の3つを挙げています。
いずれも、人間として社会人としての必須条件です。

著者は、「愛だけが自己肯定感(自分が好きという感覚)を育てる」と
言います。同感です。

お母さんのそばにいる時の子どもは、とても安定しています。お母さんの
愛情を、直接感じているからです。
子どもにとって家庭が一番くつろげる場であるのも、同じ理由に因ります。
もし母親のそばや家庭が安定する場でなければ、子どもにとってこれほど
不幸なことはありません。

「親に愛されなかった子は、自分も人も愛せない。」と、著者は言います。
このことは、人間(人格)形成上とても大事なことで、私もしばしば触れ
てきました。

ただ 著者は、放任する親や子どもが可愛いと感じない親にも、理解を示し
ています。放任せざるを得なかった状況があったのかも知れない、親自身も
被害者だったのかも知れない・・・ と言っています。

だからと言って、放っておいてよいわけではありません。こんな親たちを、
いま誰かが、受け止めてあげなくてはいけないのです。
それが出来るのは、行政・教育・地域社会・家族・・・ などの力だと、私は
思っています。

著者は、子どもを可愛いと感じたことがない親に、「かわいいセラピー」と
いう呪文? を教えています。可愛くなるまで「かわいいね! 好きだよ! 
大好き!」と、言い続けなさい、と勧めているのです。
心当たりの方は、ぜひ試してみて下さい。

子どもを愛するための、禁止事項も挙げています。
まず「子どものため」という大義名分に隠れて、親の期待を押しつけては
いけない。」、ということです。
次に、禁止語と命令語を使わないようにと、注意しています。 これらは
エスカレートすると、言葉の暴力に変わって行くからです。

愛することの背景には、子どものできないことを探す目ではなく、できて
いることを探す目が必要です。
大人でも、あら捜しばかりされると嫌になるし、萎縮してしまいます。

さらに著者は、「甘えを受け入れる」と、「甘やかす」は違うと言います。
私もこのブログに書いたことがありますが、子どもの甘えは、親へのアク
セス行動です。外であったことを親に話すのも、疑問・難問を親に質すの
も、不満や不安を親に訴えるのも、甘えの現われです。


読後感
幼児教育の専門家より幼児の心を捉え、親の役割りについてしっかり助言
しています。感心しました。

子どもと心を結ぶ聴き方・伝え方の項などは、具体的ですから、多くの親の
参考になると思います。また 著者は、親自身が子どもから自立するように
と諭しています。過保護・過干渉の弊害を、知ってのことと思います。

この本は、子育てのバイブルとして推薦できます。
ただ どんなに良い本でも我が子にその通り実践するとなると難しい話で、
書かれた通りにはなりません。それでいいのです。バイブルですから手元
に置いて、困った時に・迷った時に紐解いて見るものなのです。

子育ては、マニュアル通りには出来ません。またマニュアル通りに子育て
してはいけないのです。なぜなら、子どもは10人10色、育て方も育ち
方もみんな違っていいのです。

この本の後書きに、「ひび割れ壷」という物語が紹介されています。
子どもにもわかる話ですから、活用出来ます。
「みんなちがってみんないい(金子みすず詩)」に、通じる話です。