幼児教育を語るひろば

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ロスジェネ

用事があって、M市まで出かけました。 きょうは勤労感謝の日で祝日なのに、
N進学塾へ小学生たちがゾロゾロと入って行きました。私立中学校を受験する
子どもたちにとっては、今が書き入れ時で日曜も祝日も無いのでしょう。
中には車で送られて来る子も結構いますから、家族も休日返上のようです。
みんな黙々として建物の中に吸い込まれて行く様子は、ちょっと異常です。

現在は東京の公立小学校6年生の5割近くが、私立中学校を受験すると言われ
ます。私が教職に就いた昭和30年代は、1校で数えるほどしか受験しませんで
した。(それでも受験生が多いと言われる学校に就職したのですが・・・)

私は日曜・祝日には子どもたちを学校に集めて、校庭でよく遊んだ覚えがありま
す。私自身も子どもの頃は、休みとなれば近所の子どもたちと日の暮れるまで
遊んでいました。

勿論現在は、昔と事情が違います。少子化もあって、近所に遊ぶ友達もいません。
飛び回って遊ぶ空き地も、ありません。ましてや、この競争社会です。ぼやぼやして
たら、おいてきぼりになります。

だからと言って 「勉強しろ! 勉強しろ!」と、お尻を叩くだけでよいのでしょうか? 
子どもは「勉強しろ!」と言われると、かえって勉強嫌いになるとも言われます。
また勉強してやっと受験に成功したとしても、全エネルギーを使い果たして、燃え
尽き症候状態に陥る子も少なくありません。

いずれにしてもこの子たちの少年少女時代は、自然の理法に適っていないような
気がします。
今この子たちに学んで欲しいのは、人としてのマナーや社会性です。 勉強は、
学校だけで十分です。学校の勉強も本気で主体的に取り組めば、休日の塾通い
は無用なはずです。

前置きが、長くなりました。「ロスジェネ」という言葉が流行っています。
(lost generation・失われた世代の略) 
就職氷河期と言われる、現在の若者たちを指す言葉です。就職活動がままならず、
社会から不必要な存在と見なされているというのです。

私は祝日に塾通いする子どもたちを見て、「ロスジェネ」は、若者世代だけでは無い
ような気がしました。この子たちも 「ロスジェネ」ではないでしょうか?

押し付けられて勉強した子は、押し付けが無くなれば勉強もしなくなります。だから
と言って、「勉強するな」 と言うわけには参りません。

要は主体的に勉強する・勉強が好きになるためには、どうしたらよいか? 
ということです。
「好きこそものの上手なれ」で、子どもは自分が興味・関心を持ったことには、積極
的に挑戦します。ここが一番大事な点で、大人は(親・教師は)子どもの特性・興味
・関心を早く見つけてあげることです。
それを認め褒めてあげると、子どもは喜んで自分の探求活動に努力するようになる
のです。子どもを勉強好きに導く、第一歩です。

子どもの持つ能力・特性を認めてあげなければ、子どもは「ロスジェネ」を感じるよう
になります。「ロスジェネ」は子どもの自信を奪って、健全な成長を阻害します。
人格形成にも、影響を与えるはずです。

祝日に塾通いする子どもたちを見ながら、こんな感想を持ちました。子どもたちから、
少年少女時代を奪うようなことがあってはなりません。