幼児教育を語るひろば

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生と死

船から脱出した4人の仲間が、「おーい!」と呼ぶ声が聞こえました。
八丈島近海で遭難した漁船第一幸福丸から救出された3人の乗組員が話して
いました。

船内に閉じ込められた3人が生還して、船外に逃れた4人が行方不明です。
二つに分かれたのは、何の定めに因るのでしょうか?

航空機事故でも、「キャンセルして搭乗しなかった人が助かり、キャンセル待ち
までして搭乗した人が犠牲になった。」 というような話しをよく聞きます。

運命でしょうか?  生命力の違いでしょうか?

人間の生と死は、常に隣り合わせであることをつくづく感じます。
そう考えればこの複雑多様な世の中を、よく無事に生き延びていることと感心し
ます。ありがたいことと、感謝しなければなりません。

でもこの感謝の気持ち、日常は殆ど忘れています。それに、誰に感謝したらよい
のでしょうか? 私自身、その辺りが曖昧です。

自然の恵みに・国家や社会の仕組みに・家族の愛情に・他人の親切に・・・・ 
感謝の対象はいっぱいあるような気がします。

普段はそれらを当たり前のこととして受け止めているので、期待はしても感謝の
気持ちは持ち合わせていません。

生死を分けるような出来事に遭遇した時、人ははじめて生きることの大切さに
気づき感謝するのだと思います。

作家の五木寛之は [大河の一滴] という著書の中で、「人は大河の一滴に過ぎ
ないけれど、その一滴に天地の生命を宿している。」と言います。

そして、こう書いています。
「人間の生命は海からはじまった、人が死ぬということは、月並みなたとえだが、
海に還るということではないのか。  生命の海に還り、ふたたびそこから空に
のぼってゆく、そして雲となり露となり、ふたたび雨となって、また地上の旅が
スタートする。」 と。