幼児教育を語るひろば

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展覧会

先日、「ピカソ展」を見てきました。2会場に別れていたこともあって、見終わったら
大変疲れました。疲れは会場のせいだけではなく、作品の主張に圧倒されたこと
もあるように思います。

例えば子どもの発想にもありそうな 「鳥をくわえた猫」などは、解説を読むと奥が
深いのです。1939年母国スペインの内戦で、フランコ将軍がマドリッドを占領し
ました。この絵にはフランコへの反感・怒りが、こめられているというのです。

人間のような表情を持った凶暴な猫が、鋭く尖ったつめで鳥を噛み千切っています。
そう知ると 「子どもの絵と同じ」などと、ノンキなことは言っていられません。

「コリーダ 闘牛士の死」などは、単なる暴力や死だけではなく、性的な意味もこめ
られていると言います。晩年に描かれた「接吻」は 確かにエロチックな作品ですが、
「コリーダ 闘牛士の死」からはそれが感じられません。

しかもこの絵は牛と馬が激突して、その間に闘牛士が挟まれて死んでいるという
ものです。 牛の頭の上で折れ曲がった闘牛士の体と、大きく首をねじった馬が
十字を描き、キリストの磔刑図のようになっていると言うのです。 と言われても、
分かりにくい構図です。

そんな解説を読みながらの鑑賞ですから、なかなか理解出来かねます。疲れるのも、
無理がありません。


今日はかって勤務した、武蔵野市立境幼稚園の展覧会へ出かけてきました。

テーマは、「みんなのちきゅう」です。宇宙から地球へ行く乗り物を共同制作し
たり、 地面の上(天)と 下(地)でつながっているものを貼り絵で表したり、
宇宙人と出会った時の体験を想像画で描いたりしていました。

私は 子どもが自由に発想して、描いたり造ったりした作品が大好きです。
ですからこれらの作品の前では、一人一人の子どもの思いを想像しながら、
ゆっくり見せてもらいました。

子どもたちの作品には、ピカソのように難しい理屈はありません。 純粋な
子どもの心・自然に対する畏敬の念・子どもたちの宇宙観・・・・ それらが
素直に表現されていました。 見る者の心にも、 それが素直に伝わって
きます。

テーマ以外 日常の保育活動の中で製作された作品も、たくさん展示されて
いました。日常の子どもたちの活動振りが、生き生きと再現されていました。


境幼稚園では毎年展覧会を、武蔵野文化事業団が運営する「スイングビル」
(JR武蔵崎駅前)で開催します。 10・11階(最上階)の行事用フロアーを、
借り切ります。

たかが幼稚園の展覧会という考えではなく、幼児期から本物に触れさせたい
という先生方の強い願いからです。

そのお陰もあって、地域にある 亜細亜大学・都立武蔵中高校・武蔵野市立
境保育園・地域有志・保護者・・・ 等々の素敵な作品が、賛助出品されてい
ました。境幼稚園の展覧会に、花を添えてくれていました。

今日は疲れるどころか、心地よい充実感がありました。
園児手作りの「2009年用紙版画カレンダー」を、お土産にいただいて
展覧会を後にしました。