幼児教育を語るひろば

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展覧会巡り

芸術の秋ですから、昨日・今日と2つの展覧会に足を運びました。1つは未完成の美、1つは完成の美を鑑賞して参りました。

幼稚園の展覧会へ
昨日は、勤務していた幼稚園の展覧会へ行ってきました。私が勤めていた頃から、
会場は大人の展覧会場に負けない場所を選んでいました。

JR中央線M駅前の、M市が運営するSホールを借り切っての展覧会です。幼いうちから本物に触れさせたい、という職員の願いもありました。

今年のテーマは、「そらへのたびだち」です。「空」は、子どもだけでなく大人にとっても夢の世界です。

会場入り口に1歩足を踏み入れると、年長さん(5歳児)が作った貼り絵の絵本が
並べられてありました。「うちゅうのたびのえほん」という題が、付いています。

解説によると、「銀河食堂の夜」という歌に合わせて、自分の好きな宇宙をイメージ
して作ったとあります。

子どもたちの宇宙への夢がいっぱい詰まった、素敵な絵本ばかりでした。展覧会への動機付けとして、とても効果的です。

絵本から目を離すと、親子共同制作の大作が待っていました。「晴れの空」 「雨の空」 「雪の空」 「虹の空」の4部作です。

親子が力を合わせて一つの作品を完成するというのは、幼稚園ならではのことです。
作品からは、親子のイメージが上手にミックスされているのを感じます。

想像画「ふしぎなふうせん」は、私の興味をひきました。風船売りのおじさんから
買った風船を持ち歩いていたら、体が軽くなって空に浮いてしまったそうです。
このお話の続きを、子どもたちが想像して描きました。

年長児(5歳)はフェルトペンで、年少児(4歳)はクレパスで描いています。どの作品も子どもたちの個性が、豊かに表現されています。

ある子は小さくなった町の様子を、ある子は果てしなく続く宇宙の様子を、子どもたちの発想の豊かさに感心しました。

「なににのってそらへいこうかな?」、という年長児の作品がありました。はじめて
平面の工作用紙を使って展開図を描き、立体構成に挑戦したとのことです。

最近は、使用済みの空き箱や食品容器を利用したリサイクル工作が全盛時代です。
工作用紙から箱状のものを作るのは、子どもたちとっても大変な作業だったことと
推察できます。

飛行機や宇宙船、それにトンボや鳥などの動物をイメージしたものなど、色々な
空飛ぶ乗り物が工夫されていました。可愛いことにその乗り物には、家族・友だち
・先生が乗っていました。

「そらへのたびだち」のテーマに応じた作品は、まだまだありました。年長児のスクラッチ画「空の上のお店屋さん」、立体カラードテープの「空にあるもの」、年少児の紙粘土「宇宙人」、共同作品の「空の劇場・子どもたちの世界」等々です。

現在は、紙類・粘土類・画材などの質が良いせいでしょうか? 一昔前の子どもたちの作品より、仕上がリガきれいなように感じます。

テーマ以外の作品も、色々展示されていました。また未就園児の作品や、保護者の作品もありました。それに加えて、地域で交流しているM高校やA大学の学生の
作品もあって、中味の濃い地域ぐるみの展覧会でした。


フィラデルフィア美術館展へ
世界的にコレクションが多いことで知られるフィラデルフィア美術館の絵画と彫刻が、上野の東京都美術館にやってきました。

何しろ日本人好みの印象派の傑作が多数展示されているというので、早速期待しながらきょう出かけてきました。

中でもルノワールの「ルグラン嬢の肖像」やマティスの「青いドレスの女」は、複製画を持っているだけに、本物と比べてみたいという気持ちが強くありました。

フィラデルフィア美術館には、25万点のコレクションがあるそうです。今回はそのうちの油絵72点、彫刻5点の計77点ですから、本家と比べたら顕微鏡的な数です。その油絵のうち57点がヨーロッパ絵画で、私のお目当てでした。

でもこれが、なかなか見応えがありました。また数が少ないだけに、丁寧に鑑賞することも出来ました。

マネ・ドガ・ビサロ・モネ・ゴーガン・ルノワール・ゴッホ・セザンヌなど、こんなにゆっくり見て廻ったのは初めてです。

ルノワールの「大きな浴女」の前は人だかりが絶えず、さすがに人気の絵という感がありました。ルノワールの作品は4点出品されていましたが、いずれも女性を描いた
もので、「女性の画家」と言われるわけも分かりました。

マティスの「青いドレスの女」は、1937年作です。色遣いが素晴らしいだけではなく、その色がちっともあせていないのにビックリしました。修復しているのでしょうか?

フィラデルフィア美術館が印象派の絵を大量に保有しているわけを、解説で説明していました。

当時ヨーロッパでは、印象派の絵はあまり評判よくなかったようです。そこでアメリカンドリームで財を成した富豪たちが、彼らの絵を買い集めました。フィラデルフィア美術館が、貴重な絵を保有しているのもこれら富豪のコレクターの力によるのです。

そう聞くと芸術作品を収集・保存するには、お金持ちのコレクターが大きな役割を
果たすことを知り、彼らの存在も必要なんだと妙に納得しながら見て廻りました。


2日間の展覧会巡りの感想は、幼稚園の展覧会には夢があって私の心を魅了しました。(身びいきも強いと思います) フィラデルフィア美術館展では、巨匠たちの作品に
ただただ圧倒されて会場を後にした、というのが実感です。

「芸術の秋」に癒された2日間でした。