幼児教育を語るひろば

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大人になりたくない?

「早く大人になりたい?」 私は子どもたちによく尋ねました。多くの教育関係機関
でも、時々調査しています。

答えは大体決まっていて、小学生の約7割中高生の約6割が、「そうは思わない」
と答えています。そう思わない理由も、このところあまり変わっていません。

次が、そのベストスリーです。

 1.子どもの方が楽だ。
 2.大人になるのが不安だ。
 3.大人は信用できない人が多いので、なりたくない。


気になるのは、2と3です。

「大人になるのが不安だ」と思っている子どもたちは、何が不安なのでしょうか? 

家族と話していると、収入が少ない・物価が高い・教育費がかかり過ぎる等々、
親たちのグチが聞こえてきます。またニュースに耳をやると、失業率が高まった
とか、賃金格差が広がったとか、盛んに報道しています。

こうなると、大人になって家庭を持ち、仕事に就いてきちんとやって行く自信が
持てません。加えて年金記録問題などを知っている子どもは、自分が大人に
なった時の、経済情勢まで心配しているかも知れません。

中高生なら、石油価格の高騰・株価の上がり下がり・地球温暖化・テロの恐怖・
戦争の脅威等々にも気づきます。

アフガニスタンやイラクの戦争も、自分自身で見聞きして来ました。平和への不安、
展望の開けない未来への不安等、大人になるのを躊躇する大きな要因になって
いると思います。

「大人が信用できない」という子どもたちの声は、大人としても肯けます。

「赤福」に続いて、昨日は同じ伊勢市の「御福餅」も製造日を偽っていたという報道がありました。食品業界ばかりではありません、建築業界も相変わらずの偽装問題が
摘発されています。

一昨日の衆院テロ対策特別委員会の証人喚問も、子どもたちはどう見ているので
しょうか?

毎日毎日、大人としても恥ずかしい事件が続きます。「大人は信用出来ない! 
だから大人になりたくない!」と、子どもたちは言っているのです。


ところで、「大人になりたい」という気持ちを持つことは、子どもが「自立」という
課題に取り組むことでもあるのです。

この時、大人は(特に親は)どうしたらよいのでしょうか?

大人が幼い子どもを保護し・援助し・教えることは、本能的にごく自然に出来る
ことです。(最近それさえ出来ない親が増えてはきましたが・・・)

ただ、自立しようとしている子どもに対して、いつまでも同じ態度で臨んでいる
わけには参りません。そうすると子どもはなかなか「親離れ」しません。そして
親も「子離れ」出来ません。

大人は(親は)、常に子どもの変化に対応してサポートする必要があります。つまり
直接的なサポートから、心理的なサポートへ転換するのです。

子どもの「自立」を援ける最良の方法は、一言で言えば大人の(親の)生き方を
示すことです。

社会の現状と将来の展望の中で、大人がどんな価値観を抱いて生きているか? 
子どもたちは見ています。そこから、子どもたちは自分の生き方を指向して行く
のです。

「大人は素晴らしい! 早く大人になりたい!」 子どもたちからそう言われるように、私たち大人も自分自身の生き方を振り返ってみましょう。